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港区は2億円も! 新築マンション価格 “青天井” で中古も高騰… 背後に暗躍する “転売ヤー” の実態
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画像はイメージです(写真・PIXTA)
2025年1月23日、不動産経済研究所は「2024年の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)新築マンションの供給戸数が前年比14.4%減の2万3003戸だった」と発表した。これは同研究所が調査を始めた1973年以来、過去最少だったという。
「マンション建設に適した駅近の好立地がほとんどないため、デベロッパーは『建てたくても建てられない』という状況です。そのため、供給数がかなり少なくなっています。
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また、土地の取得費用、建材費、人件費も歴史的な高騰ぶりで、販売価格も2023年頃から東京23区では1億円超えが当たり前になっています。特に千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区は価格が青天井です。
共働きで世帯収入が1500万円を超えるパワーカップルでも手が届きにくくなっています」(大手不動産営業マン)
不動産販売会社は、1戸あたりの占有面積を狭くして販売戸数を増やすなど「価格抑制」に知恵を出している。しかし、これも評判が悪い。
「50平米台で3LDKという “激狭物件” もあります。これまでは70平米以上が標準でしたから、購入者からは『この価格なのにこの広さ?』と不満の声が聞こえます」(前出・営業マン)
そして、新築マンションの高騰に “連れ高” するように、中古マンションの価格も上がっている。2月21日には、日本経済新聞社が中古マンションの価格高騰について「人気の高い千代田区と港区の平均価格は1月、初めて2億円の大台に乗せた」と、不動産調査会社「東京カンテイ」のデータをもとに報じている。
「2億円超えのおもな背景は、住居として購入する実需層が殺到しているというより、投資マネーの大量流入にあります。人気新築マンションの抽選に当たった転売ヤーが、未入居で『中古』として売りに出すケースがここ数年で急増しているのです。
所有年数が5年以下で売却すると利益にかかる税額は約40%。5年超保有の倍になりますが、買い値より2割も3割も高く売れるので、それでも儲かるのでしょう。
『新築中古』の物件だけではなく、バブル期に建てられた超駅近のマンションも、占有面積が広かったり、贅沢な作りになったりしているので、転売ヤーにとっては格好のターゲットです。この先、新築も中古も価格が下がる理由が見当たりません」(同)
ますます庶民には手が届かなくなる。