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山尾志桜里の政策顧問「倉持麟太郎弁護士」安倍改憲案を批判(2)

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.02.01 11:00 最終更新日:2018.02.01 11:18

山尾志桜里の政策顧問「倉持麟太郎弁護士」安倍改憲案を批判(2)


 自民党は、いまや国会議員の3分の2以上を占める改憲勢力の数の力を背景に、早ければ2018年4月に憲法改正を発議し、6月に国民投票というタイムスケジュールを描く。この流れにどう対抗していくのか。

 

「まず、個人の権利保障や権力の統制を中心とする一定の政治哲学に貫かれた横断的な憲法議論のプラットホームを先に設定する。その論点整理を、どこかのタイミングで政権に先んじて出す。これは『対案』ではありません。もちろん9条だけでなく、憲法裁判所の議論もしますし、『憲法典』だけでなく法律や規則の改正も含みます。

 

 そうすることで『自衛隊を書き込むだけで自衛権については何も統制しない』などと言っていることが、どれだけビジョンとして小さいかがわかるはずです。改憲するとしたら、こっちの議論のほうがよくないですかという話をするわけです。そうすると、今度は、いわゆる改憲派が割れます。保守の分断が起こる。安倍加憲というのは、主権回復とか、自主独立とかいう問題に正面から答えていないわけですから」

 

 倉持氏には「勝利体験」がある。旧民進党時代、天皇陛下の生前退位問題で、政府の有識者会議が中間報告を出す1カ月前に、山尾氏らと共同で論点整理を発表したのだ。

 

「最終報告は民進党案がほとんど反映されたものになったんです。今回も、政府に先んじて改憲案の議論を進めていくことで、我々の主張が土俵を形成していくと思います。仮に安倍さんが、我々の主張を受け入れてくれたら大歓迎ですよ。僕はただ、よりよい改憲をしたいだけですから」

 

 その際、政治家として力を発揮するのが、山尾志桜里衆議院議員だ。

 

「僕は僕なりに発信しますが、彼女は彼女なりに一政治家として、立憲的改憲を世に問うていくはずです。現在、無所属の彼女一人ではできなくても、学者や実務家、市民などいろんな人たちのコンセンサスを得ながら議論をしていけば、きっと大きなムーブメント(運動)になると信じています。

 

 山尾さんとは改憲論で根本的な考えは一致していますね。そんな人ってほかにいないんですよ。阿吽の呼吸ですね。僕の話は難しいとよく言われますが、それを“翻訳”してくれるのが山尾さんでしょうか。翻訳って、通底しているものがないと、正しくなされないのです」

 

冒頭の「ゴー宣道場」では参加者からの質問が時間ぎりぎりまで続いた。「ムーブメント」はすでに始まっている。

 

【現在の「日本国憲法」第9条】

 

1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 

2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

【「9条改正」倉持私案(Ver2.0)はこうだ】

 

 9条の2を新設。その他に国会、内閣、司法、財政の規定の改正もおこない戦力を統制する。

 

9条の2
1. 前2項の規定にかかわらず、我が国に対する直接的な外国の武力攻撃及びその着手に相当する行為によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の侵害に対して、これを排除するために他の適当な手段がない場合において、当該侵害行為を排除するために必要最小限度の範囲での個別的自衛権の行使ができ、これを超える武力の行使や集団的自衛権の行使はこれを認めない。

 

2. 前項の個別的自衛権の行使にあたって必要な限度において、前条2項後段の交戦権の一部にあたる措置をとることができる。

 

3. 第1項の個別的自衛権及び前項の交戦権の行使のための必要最小限度の戦力を保持することができる。

 

4. 内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊を指揮監督する。自衛隊の行動については、法律のさだめるところにより、国会の承認及びその他の民主的統制に服する。

 

5. 本条の規定は、専守防衛の理念の下、受動的かつ抑制的に運用されなければならない。

 

6. 我が国は、全世界の軍縮及び核廃絶のためにあらゆる手段を尽くすよう努めなければならない。

 

(週刊FLASH 2018年1月2・9日合併号)

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