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音声データ流出の維新・増山誠兵庫県議「除名」で“無職”濃厚…N国から参院選出馬の現実味
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2月23日、記者会見をした増山誠氏(手前、写真・共同通信)
兵庫県知事選挙期間中に、斎藤元彦知事への告発文書をめぐり、告発者である元西播磨県民局長(2024年7月に逝去)についての真偽不明な私的情報などを記した文書や、非公開でおこなわれた県議会特別調査委員会(百条委員会)の音声データを「NHKから国民を守る党」(以下、N国)の立花孝志党首に提供した問題で、2月24日に兵庫維新の会は党紀委員会を開いた。
立花氏へ情報提供した日本維新の会所属の兵庫県議である岸口実氏は、百条委員会の副委員長、同じく県議の増山誠氏は、百条委員会の委員を務めていたが、ともに2月20日に百条委員会にまつわる職務を辞任している。
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社会部記者がこう話す。
「党紀委員会での聞き取り調査に対して、2人は事実関係を認めたようです。兵庫維新の会は、25日に幹部会合で2人の処分を決め、26日に発表する予定です。岸口氏には離党勧告処分、そして増山氏には最も重い除名処分が下されるとみられています。
増山氏は2月19日、YouTube番組『ReHacQ(リハック)』の生配信で『(2024年)10月25日の片山(安孝)元副知事のお発言を録音して立花氏に渡したのは私です』などと“自白”していました。
音声データには、10月25日に非公開でおこなわれた百条委員会での片山氏の証人尋問の様子が収められており、片山氏が元県民局長の公用パソコンにあった私的情報を話し出したため、それを遮られる部分も含まれていました。増山氏はさらに個人的に作成していた元県民局長に関する真偽不明の私的情報文書も立花氏に渡しています」
除名処分となりそうな増山氏に、N国の立花氏は、ラブコールを送っていた。
2月21日、立花氏は自身のXに《NHK党から、次期参議院選挙の立候補して欲しいと、打診はしています!増山誠さんの、英断を期待しながら待っています!》とポスト。
増山氏は、2月23日の記者会見で立花氏からの出馬打診について「お誘いを受けていることは事実」と認めつつ「受けるとも受けないともまだ回答していない」などと答えていた。
日本維新の会関係者が言う。
「維新の議員は誓約書に署名していて、誓約書のなかに『今後、いかなる理由があろうとも、日本維新の回から除名処分を受けた場合は、議員又は首長の公職を辞職します』とあります。ですから、増山氏は除名処分になった場合は、議員を辞職することになると思います。
そうなると、すぐに転職でもしなければ無職になる可能性もありますし、維新からは選挙に出られませんから、2025年7月に予定されている参院選にN国から出馬するという話は、現実味を帯びてきましたね」
Xには増山氏の今後について《Nなんかと関わるからこうなる》《百条委員会の情報を漏らした維新の増山誠氏が、立花孝志氏から誘われたってさ。どんどん堕ちていくね》という声がある一方で《増山誠県議は、県議も辞職して参院選に出て欲しい。権謀術数にまみれた兵庫県議会で消費するのがもったいない逸材》という支持もあがっている。
増山氏の判断はいかに……。