社会・政治
【兵庫県斎藤知事問題】怪文書を渡した岸口県議は除名、音声データを渡した増山県議は離党勧告“不可思議処分”の残念すぎる裏事情
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維新の会から除名処分を受けた岸口実県議と離党勧告処分となった増山誠県議(写真・時事通信)
2月26日、2人の処分が発表された瞬間、多くの関係者が首を傾げたという――。
そもそもの発端は、2024年の出直し選挙で返り咲き再選をした斎藤元彦兵庫県知事のパワハラ告発文書だ。
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「告発内容を調査する百条委員会の委員を務める『日本維新の会』の増山誠県議と岸口実県議が、県知事選に立候補した『NHKから国民を守る党』の立花孝志党首に、同委員会の音声データや、亡くなった竹内英明元県議に関する真偽不明の文書を渡していたことが発覚したのです」
当然、百条委員会で得た情報を第三者、しかも他党の代表に手渡すことなど言語道断。2人が所属する日本維新の会は、処分を下すと発表した。
「ところが、その処分内容が不可思議なものだったのです。増山県議は離党勧告で、岸口県議はそれより重い除名処分を受けました。音声データを立花氏に手渡したのは増山県議です。一方、岸口県議は、竹内元県議を黒幕だと名指しする“怪文書”を立花氏に手渡しています。百条委員会の機密情報を漏らしたという意味では、明らかに増山県議のほうが罪は重い。実際、当初は逆の処分にすることが党の方針だったと報じられています」
今回の処分内容は、日本維新の会共同代表の吉村洋文大阪府知事のある懸念が関係していると地元紙記者は語る。
「増山県議は、会見で『吉村知事よりも発信力が立花さんにはある』と話すなど維新への忠誠心を感じさせない発言をしており、暴走気味なんです。ここで増山県議を離党させると、一連の斎藤知事問題について立花氏と一緒になって好き勝手に暴露を始める危険性がある。とくに維新の会の内部事情についてはよく知っているはずですから、勝手なことを言われては困るわけです。その結果、岸口県議を追放し、増山県議には勧告にとどめるという、不可思議な処分になったようです。増山県議は、すでに離党届を出しているものの、まだ受理されていません。維新としては、百条委員会の調査結果が出る3月までは放置する考えのようです。党の保身を優先した残念な結果となりましたね」(地元紙記者)
誰もが自分を守ることだけで頭がいっぱいのようだ。