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「年収の壁」議論打ち切りで前原誠司氏に向けられる憤慨…過去には「政党クラッシャー」「裏切り者」と批判されたことも

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記事投稿日:2025.02.28 18:41 最終更新日:2025.02.28 18:41
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
「年収の壁」議論打ち切りで前原誠司氏に向けられる憤慨…過去には「政党クラッシャー」「裏切り者」と批判されたことも

予算案に合意した日本維新の会・前原誠司共同代表(写真・長谷川 新)

 

 2月25日夜、自民党、公明党、日本維新の会の3党首は、維新が求める「高校無償化」などの実施に向けて合意し、2025年度当初予算案の成立が確実となった。

 

 自民党総裁の石破茂首相、公明党の斉藤鉄夫代表、日本維新の会の吉村洋文代表は、合意文書に署名。その一方で、自公両党が国民民主党と協議を進めてきた「年収の壁」引き上げ問題は、双方の合意が得られぬまま、事実上、打ち切りとなった。

 

「少数与党である石破政権は、予算を通すためには野党の協力を得なければなりません。そのため、維新と国民民主をいわば “両てんびん” にかけて交渉してきたのです。今回の合意で維新と組み、国民民主は切り捨てられることが明確になりました。

 

 維新と手を組んだのは、政策を許容できたのはもちろんですが、石破首相と維新・前原誠司共同代表との “個人的な関係” があるともいわれます。ともに防衛族議員として以前から盟友関係にあるだけではなく、2人とも鉄道オタクとしても仲がいいのです」(政治担当記者)

 

【関連記事:石破首相、予算案成立に最後の頼みは維新・前原誠司氏との「鉄オタ絆」野党共闘の道筋は見えず】

 

 予算案成立に向け、まずは野党の協力を得ることに成功した石破首相だが、当然、敵に回した国民民主党は怒り心頭だ。梯子を外された同党の榛葉賀津也幹事長は、予算成立に協力しない意向を示している。

 

「石破政権が国民民主を敵に回したリスクは小さくありません。国民から高い支持を受けていた『年収の壁』引き上げ案を潰したことで、非常に大きな反発を呼んでいます。

 

 国民民主の玉木雄一郎代表が、石破政権では反主流派の麻生太郎元首相と結託し、“石破おろし” に走るのではないかとの憶測もあります。また、維新内部でも、今回の合意について一部で反発を招いており、党が分裂する可能性も指摘されています」(同)

 

 維新の会の分裂に関して、SNSでは前原氏の “前歴” に関する声が数多く寄せられている。

 

《前原ってな。行く政党、行く政党、全部消えていくから、「政党クラッシャー」「死神」って、言うんやて》

 

《これな。維新の会、分裂して消滅すると思うわ。さすが、前原》

 

《政党デストロイヤーの前原議員。次は維新の会をブツ潰す》

 

 実際、前原氏は、これまで何度も政党の分裂・消滅に関わってきた。

 

「1991年、京都府議に初当選した前原氏は、翌年には野田佳彦氏、小池百合子氏らとともに『日本新党』へ参画。1993年、衆院選で初当選すると、まもなく『新党さきがけ』に合流しました。

 

 1998年、『民主党』の結党に参加。国交大臣や外務大臣を歴任するなど、党の中枢で活躍しました。その後、2016年に結成された『民進党』代表を経て、2017年には、小池百合子氏率いる『希望の党』に合流して大失敗。このときは民進党を分裂させたことで “壊し屋” と揶揄されました。

 

 その後、『国民民主党』に移りましたが、玉木代表とそりが合わず、『教育無償化を実現する会』を経て、『維新』に合流しています。

 

 国民民主を除けば、いずれの政党も分裂や消滅の憂き目にあっているため、前原氏のことを “政党クラッシャー” などと批判する人も多いんです。

 

 仮に自公維の連立政権が誕生すれば、今度は自民党と維新がクラッシュするのではないかと、オカルト的な予想をする人もいます」(前出・政治担当記者)

 

 2023年、前原氏が「教育無償化を実現する会」を結成したとき、国民民主党の榛葉幹事長は「仲間を裏切る政治家は国民も裏切る」と厳しく批判している。

 

 政局次第で立ち位置を変え、“裏切り” と “破壊” を続けてきた前原氏。次は自民党を裏切るのか、維新を裏切るのか。

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