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タニタの公式Xで「もちつけ」…東洋水産フォローし“ネットスラング”発言も「内輪ノリ寒い」と批判殺到、“広報アカウント”が抱えるリスク
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東京都・板橋区にあるタニタの本社(写真・時事通信)
2月に『赤いきつね』のアニメCMを公開し、一部から「性的だ」と指摘を受け炎上した東洋水産。同公式Xと計測器の大手「タニタ」の公式Xの、お互いのやり取りが、X上で話題となっている。
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「発端は、タニタの公式Xが、東洋水産の公式Xをフォローしたことです。フォローに気付いた東洋水産は、2月25日、自社のXで
《タニタさんがフォローしてきた! にげる ぼうぎょ はかる なかまになる》
とロールプレイングゲームの選択肢調でポストすると、これを、タニタの公式Xが
《恐がることはないんだよ。友だちになろう》
と漫画『ジョジョの奇妙な冒険』を元ネタにした切り返しで、引用リポスト。後者のポストは、現時点で3845万回というインプレッションを集める大バズりとなっています。
その後も、東洋水産のXが
《タニタさんからお返事きた 震えながら、とりあえずフォロバしました...(うちの体重計がタニタ製であることを祈るばかりです)》
とリポスト。両社はコミカルなやり取りを繰り返しています」(芸能記者)
こうしたやりとりを「おもしろい」と評価する声がある一方、一部のSNSユーザーは、
《よその企業と変な絡み合いしてるの気持ち悪いよね》
《東洋水産の公式さん、最近自己主張強め?承認欲求丸出しなのがちょっと、、、》
《タニタ食堂や、ヘルシースナックの監修で築き上げてきた、多くの女性からの信頼と健康的な企業イメージを、こんなノリで損ねてしまうほどむなしいことはありません》
など、否定的な声が寄せられているのも事実だ。
「こうしたX上でのユーザーの声を意識してか、タニタはその後、ユーザーに向けて一言《もちつけ》とポスト。『もちつけ』とは“落ち着け”を意味する、ひと昔前に大手匿名掲示板を中心に流行したネットスラングです。このワードを持ち出したタニタに対して
《うわ 2ちゃん用語を面白いと思って使ってる 中身は40代くらいの男性?》
《そういうインターネット老人仕草はやめよう》
《やっぱりオタクを広報にするのはダメだな…人事は考えた方がいいわ。最近の芸人にも言える事だけど、内輪ノリは寒いんだよ》
など、さらに批判の声があがっています」(同前)
こうしたネットスラングを用いた事例では、少し前に、マクドナルドの公式Xも炎上騒ぎを起こしている。広告代理店関係者が語る。
「マクドナルドの公式Xは、2月20日、新商品の告知として、《ktkr!待ってたお! あれが帰ってくるお! でもたったの12日間しか復活しないおorz kwskは明日2/21(金)、みんな待っててくれるかお? ぬるぽ》などとポスト。ネットスラングを多用した同内容に対し、X上では“インターネット老人会”などと揶揄される騒ぎとなりました。
この騒動は、霜降り明星の粗品さんも、自身のYouTubeの恒例企画『1人賛否』の中で取り上げるなど話題となり、マクドナルドのポストは6100万回超えのインプレッションを記録しています。
タニタや東洋水産にしろ、マクドナルドにしろ、こうした企業の公式アカウントが“チョケる”ことには常にリスクがあるものです。親しみやすくおもしろい、と捉えるユーザーもいますが、“サムい”と感じる人も一定数いますからね。
広報アカウントとして、よかれあしかれ“バズれば正解”と考えているのかもしれませんが、企業そのものの根幹に関わるブランディングを棄損していないか、しっかりと考える必要がありそうです」(同前)
悪ノリはほどほどに。