社会・政治
二階俊博氏の3男「参院選」立候補で「紀州戦争」第2ラウンド勃発…「世耕一派」は再び「二階王国」を倒すのか

演説中の石破氏(右)と二階伸康氏(写真・馬詰雅浩)
2024年10月の衆院選で、和歌山2区から自民党公認として立候補した、二階俊博元自民幹事長の3男・伸康氏。
派閥の裏金事件で自民党を離党、無所属で立候補した世耕弘成氏と事実上の一騎討ちとなり、「紀州戦争」と称されるほどの死闘を繰り広げたが、結果は比例復活もかなわない惨敗に終わった。
その伸康氏が、7月の参院選で和歌山選挙区から立候補する。
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「自民党は参院選の候補者選定を原則公募としましたが、党所属の国会議員や県議ら10人以上から推薦を受けた人の立候補申請も受け付けました。
和歌山県連は、2月9日、規定の推薦人を集めた二階氏と、世耕氏に近いとされる前有田市長の望月良男氏で決選投票をおこない、二階氏が選ばれました」(自民党関係者)
和歌山県は「二階王国」と呼ばれるほど、二階元幹事長の影響力が強い。しかし、先の衆院選の結果からもわかるように、その力にはかげりが見える。
一方で、祖父の弘一氏、伯父の政隆氏が国会議員を務め、近畿大学の理事長にも代々名前を連ねる「世耕一家」が支持基盤を強固にしている。
「そのため、予備選で敗れた望月氏の動向が焦点になっていました。もし、参院選に無所属で出馬すれば、衆院選と同じように保守分裂は避けられません。『紀州戦争第2ラウンド』に突入です」(関西の自民党議員)
和歌山県連は分裂を避けるため、役員会の決定後、望月氏に「結果にかかわらず、自民党公認候補の選挙に尽力する」という内容の「誓約書」へ署名するよう求めたというが……。
「県連の危惧が、現実のものになりました。3月5日、望月氏が無所属で立候補する意向を固め、和歌山県連会長の石田真敏元総務相に出馬の意向を伝えたことが報道されました。
これでまた、二階vs.世耕の戦いがくり広げられることになります。県民はうんざりしています」(前出・議員)
結果がどうであれ、遺恨は残りそうだ。