社会・政治社会・政治

「玉木雄一郎を総理大臣にする会」無断で発起人にされたドトール鳥羽氏が困惑告白…「石丸伸二」「N国立花」「ごぼうの党」仕掛け人たちの揃わぬ足並み

社会・政治
記事投稿日:2025.03.08 06:00 最終更新日:2025.03.12 13:35
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
「玉木雄一郎を総理大臣にする会」無断で発起人にされたドトール鳥羽氏が困惑告白…「石丸伸二」「N国立花」「ごぼうの党」仕掛け人たちの揃わぬ足並み

3月4日に党代表の役職を再開した国民民主党の玉木雄一郎代表(写真・長谷川 新)

 

 本誌「SmartFLASH」が2024年11月に報じた元グラビアアイドルの小泉みゆきとの不倫で「3カ月の役職停止処分」を受けた国民民主党の玉木雄一郎氏は、3月4日、処分期間終了により代表に復帰した。

 

 処分が明ける直前、ある永田町関係者は気になるものを見たという。

 

「おもしろい“催し”の知らせを目にしたのです。それは、3月10日に開催されるという政治資金パーティー『玉木雄一郎を総理大臣にする会 設立総会』というもの。代表に復帰したらすぐに大々的なイベントをやるんだな……と思ったものです」

 

 本誌記者が入手した告知文書では、会場の詳細や会費が1万円であることや政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パーティーである旨が記されており、式次第では玉木氏の本人の「ご挨拶」もある。

 

 

 また、「玉木雄一郎を総理大臣にする会」の事務局の所在地は東京・新宿になっており、同名の公式サイトも立ち上げられていた。前出の永田町関係者がこう続ける。

 

「文書にあった『設立趣旨』のなかにはこうあります。『新時代のリーダーとして玉木雄一郎を中心に据え、日本の未来を担う政治の実現を目指す』と。そして、その文末には『発起人代表』として、鳥羽博道(とりば・ひろみち)氏の名前が記されていました。これには驚きましたよ」

 

 鳥羽氏といえば株式会社ドトールコーヒーの名誉会長で、同社の創業者。ただ、最近の“活躍”はそれだけにとどまらない。政治担当記者が語る。

 

「鳥羽氏は2024年7月の東京都知事選で、前広島県安芸高田市長の石丸伸二候補の支援に名乗りを上げました。また、2024年9月の自民党総裁選では高市早苗陣営をサポートしています。自身が“日本をよくしてくれる”と見込んだ政治家に対して、“フィクサー”的な動きをしばしば見せています。

 

 鳥羽氏は1月13日発売の『週刊現代』のインタビューで、『日本を変えてくれる人であれば、政党を問わず、支援したいという思いです』と語っています。また、玉木氏については『最近はメールのやりとりをする程度ですが、国民の生活のために玉木さんには頑張ってほしい』と期待を寄せていました」

 

 そこで、本誌は鳥羽氏に「玉木雄一郎を総理大臣にする会」の発起人代表になった経緯などについて、取材を申し込んだ。すると、本誌記者に直接、電話をかけてきた鳥羽氏からは驚くべき答えが返ってきたのだ。

 

「この会について、僕はまったく知らなかった」

 

 どういったことなのか。鳥羽氏はこう続ける。

 

「発起人代表になっていることも知りませんでしたし、発起人代表になったつもりもありません。(会の)招待状すら来ていません。事前に何も聞かされておらず、御社からの取材依頼の文書を見て、はじめて知りました。それで、行徳さんに連絡したところ、3月10日の設立総会に是非とも出てほしいと言われましたが、僕は出席したくないと言いました」

 

 行徳氏とは、同じく「玉木雄一郎を総理大臣にする会」の発起人に名を連ねている日本BE研究所所長の行徳哲男氏のことだ。ほかの発起人は「株式会社FCチャンネル」代表取締役の林尚弘氏、「株式会社清王サービス」代表取締役会長の上田博和氏となっている。

 

 鳥羽氏以外の3人について、政治部記者はこう解説する。

 

「行徳氏は、元プロテニス選手でタレントの松岡修造が師と仰ぐ人として有名です。政財界やスポーツ界の著名人相手に哲学的な指導をしているようで、鳥羽氏とも長い付き合いがあるそうです。

 

 林氏は、『授業をしない塾』として有名な武田塾を開設した人物。今はそれよりも、YouTubeチャンネル『令和の虎』2代目主宰として名が知られているでしょう。政治活動に関しては、2024年11月の兵庫県知事選の際、無所属で立候補したNHKから国民を守る党党首の立花孝志氏の供託金300万円を“スポンサー”として出しています。

 

 そして上田氏は実業家で、『青年会議所(JC)』の役職に長く就いているとともに、政治塾『日本政策学校』の理事長を務めています。『玉木雄一郎を総理大臣にする会』の事務局も、この日本政策学校のなかにかまえられています。また、2022年7月の参院選で話題になった『ごぼうの党』の公式アドバイザーも務めていました」

 

 さて、鳥羽氏とのやり取りに戻るが「発起人代表」について、張本人が知らなかったとなると、ほかの3名の発起人が勝手に名前を使ったということだろう。鳥羽氏はこう話した。

 

「行徳さんは僕に謝っていました。長い付き合いですから、彼は僕が発起人代表を受けるだろうと思って、事前に僕の承諾を得ずに進めていたようです。たしかに、僕は『国民の生活を守る』と言っている玉木さんを応援しているのは間違いないです。

 

 でも、現段階で玉木さんが総理大臣なんてありえないことですから。そんな期待するようなことを僕は言いたくないと(行徳氏に告げた)。たとえば、参院選で、予算関連法案を単独提出できる21議席以上を目指すと玉木さんは言っていましたから、『参院選で21議席以上を目指す会』とか『野党第一党を目指す会』というなら僕が“発起人代表”を務めることはありえます。これは現実的ですから。しかし今、総理大臣は非現実的なこと。そんなことで、僕が皆の前で挨拶するようなことはやらないと行徳さんには言いました」

 

 式次第に挨拶の予定があるように、玉木氏側もこの会のことを知っていると思われる。以前から玉木氏と交流のある鳥羽氏はこのことについて、「僕は知りません。今はっきりと言いますが、僕は(設立総会に)出席しません」と話したのだった。

 

 3月4日時点では、何の問題もなく「玉木雄一郎を総理大臣にする会」の公式サイトは閲覧できていた。しかし、3月6日までに公式サイトは閉鎖されている。

 

 ただ、チケット販売サイトでは変わらず申し込みができるのだが、鳥羽氏の名前がなく、「発起人代表」についても誰が務めているのか判別できない記載になっていた。

 

 予定どおりの開催の有無、鳥羽氏が話す“無断使用”の主張について、「玉木雄一郎を総理大臣にする会」の事務局と同じ所在で、上田氏が理事長を務める日本政策学校に取材を申し込んだが「総会前は取材に応じない」という回答だった。

 

 政治部デスクはこう言う。

 

「たしかに、10日の政治資金パーティーは永田町で話題になっています。鳥羽氏は民主党の中道派とかねてから付き合いが深く、玉木氏周辺の話では、今回は『玉木雄一郎を総理にする会』の関係者から『会合を立ち上げるので来てほしい』と呼びかけがあったようです。玉木氏側は『器を作ってくれるというんだから、こちらは顔をありがたく出すだけだ』と話しているようです」

 

 ひとまとまりには見えない“仕掛け人”たちの支えで、玉木氏は本当に「総理大臣」になることはできるのかーー。

続きを見る
12

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る