社会・政治
「成年皇族」となった悠仁さま“緊張”のなか「原稿なし」会見に識者が見た“ご自覚”

会見に臨まれた悠仁さまは記者団の質問に、丁寧にお答えになった(写真・宮内庁提供)
「緊張しております」
2025年3月3日、赤坂東邸でおこなわれた初の記者会見で、悠仁さまは自身の心境をお答えになった。会見では、成年を迎えられた気持ちや皇室のあり方、ご自身の性格や趣味、ご結婚の時期やお相手像、4月から進学する筑波大学のことなどに質問が寄せられた。
「悠仁さまは岩手県で発生した山林火災被害をご案じになってから、質問に応じられました。会見を通して終始、ペーパーを確認されることはなく、ご自身の言葉でお話しされていました」(皇室記者)
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“愛子天皇”賛成派の3人は、今回の会見をどう見たのか──。
女性天皇論を唱える弁護士の菅野志桜里氏は、制度論と特定の成年皇族の資質を結びつけてはいないと前置きをしたうえで、感想を語った。
「自然な落ち着きと精緻なお言葉遣いでありつつ、ときに年齢にふさわしい、朗らかさのようなものも感じました。いい意味で“親しみ”を覚えました。
会見のなかでは、ご自身にしかおっしゃれないんだろうな、という内容がありました。たとえば、大学進学にあたり『高校生活のなかで成年を意識する機会は多くはありませんでした。これからさまざまなことを経験していくうちに、徐々に実感していくのだと思います』という部分です。天皇となる可能性を背負いながらお育ちになってきたというご立派さの一方で、いわば、若者としての、大事な端境期のご感想も入っておられました」
2022年、20歳になられての記者会見に臨まれた愛子さまと比較すると……。
「お二方とも制度が不安定ななかで『もしかしたら天皇となるかもしれない』という可能性を意識されつつ、お育ちになってきたわけです。どちらもしっかりした“背骨”をお持ちで、それが会見での振舞いにも表われた、ご立派なものだったと思います」(菅野氏)
皇室研究者の高森明勅氏も「現代日本の、18歳の青年という基準でみれば、大変立派な会見だったと思います。態度も落ち着いておられたし、内容も行き届いたものでした。また、一成年皇族として拝見した場合でも、十分に皇室のご公務を担っていただける方だと感じました」と評価する。
一方で、高森氏は、悠仁さまが18歳を迎えられた際に宮内庁ホームページに掲載された『悠仁親王殿下18歳(ご成年)のお誕生日に当たり』(2024年9月6日発表)の記事のなかでの悠仁さまのご感想と、今回の会見に「かなりの乖離がある」と指摘する。
「昨年の『ご感想』は、どこを見ても『この感想を語っている主体は皇族である』と感じさせる表現がまったくなかったですね。天皇、皇室、皇族であるとか、あるいは国民という言葉が、意図的に取り除かれたかのごとく出てきません。
それに対して今回は、宮内庁記者クラブからの質問に対して、周囲の助言も得られながら、十分な準備をされた回答をなさっています。両者を比較しますと、昨年のものこそが、等身大の悠仁殿下のお気持ちを正直に反映しているのではないかと、これまでの歩みに照らしても感じてしまいます。皇位継承者に求められる部分について、失礼ながら愛子内親王のご本人らしさが発揮された2022年のご会見と比べ、違いがあるのではないかなと思います」
漫画家・小林よしのり氏も「だんだん成長されて、なんというのかな、予想以上に立派な青年になってきたなという感じですけどね。なんか、もっとオタクっぽい方かと思ってたんですけど、全然、違和感がなかったですね。年相応に成長していらっしゃるな、という感じですね」と好印象だ。そのうえで、記者から結婚に関する質問をされ、「理想の時期や相手についてまだ深く考えたことはありません」と答えられた悠仁さまの身を案じていた。
「皇室典範の改正がない限り、皇位の継承は男系男子に限ると決まっています。つまり、悠仁さまに男の子が生まれなかったら、そこで終わりなわけです。もちろん、奥さんが来なくても終わりです。
そうなると、絶対に男の子を産んでくれる奥さんを探しなさい、という話になります。その奥さんにとってもプレッシャーになっちゃいます。もう、無茶苦茶な話ですよ。人間扱いしていないんです」(小林氏)
悠仁さまは、皇室の未来にどんな思いを馳せていらっしゃるのか。