社会・政治
「岸田・麻生・茂木」三氏が総裁選後初の会食「野党に迎合しすぎ」石破首相へ苦言集まるなか“三頭政治”仲間の“胸の内”

岸田文雄元首相
3月10日夜、自民党の麻生太郎最高顧問と岸田文雄前首相、茂木敏充前幹事長が、都内の日本料理店に集まった。
「茂木氏の呼びかけによる会食です。それにしても驚いたのは、時間の長さです。じつに3時間にも及びました。
3人は岸田政権時、“三頭政治”と呼ばれるほど密な関係で政権運営をしてきました。しかし、2024年9月の自民党総裁選では、岸田氏が石破茂氏、麻生氏が高市早苗氏を推し、立候補した茂木氏は1回めの投票で6位とふるいませんでした。そのため、3人の関係はいまではギクシャクしているといいます。今回の会食も、総裁選以降で初めてのことです。
会談の内容は、石破政権の話題がおもだったものだとみられています。時間の長さから『相当、込み入った話をしたのではないか』といった憶測も呼びました」(政治担当記者)
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少数与党の石破政権に対しては、2025年度の予算案可決に向けて「野党に迎合しすぎる」といった意見が党内にはあるようで、そうしたことの情報交換もされたと伝えられる。だが、3人が集まった“思惑”を、政治アナリストの伊藤惇夫氏は「現政権に対する不満分子が集まっただけで、それぞれがそれぞれの思惑で、健在ぶりをアピールしたかったのでしょう」と分析する。
「岸田氏は『もう一度、総理大臣に』という野望を持っているはずです。そして麻生氏は、おそらく次の衆院選には出馬せず、子どもに選挙地盤を譲ると思われますから、そのためにも国政での影響力は維持したいのでしょう。(影響力が)なくなると、当選した子どもはヒラ扱いになってしまいますから。茂木氏は……そうですねえ、『まだ俺は消えていないぞ』という意思表示だと思います」
かつて辣腕をふるった3人が集まったとなれば、“復権”の画策も予想されるが……。
「7月の参院選を前に、たとえ石破首相の党内評価や世論支持率が低くても『石破おろし』などできません。問題視された『高額療養費制度』の見直しについても、あれは石破首相の意思だけで決めたわけではありませんから、石破氏をこの件で引きずりおろすことはできません」(伊藤氏)
6月の東京都議選、7月の参院議員選が迫るなか、自民党は一致団結できるのだろうか。