社会・政治
Xがサイバー攻撃で大規模障害、当初は「SNS規制」の声も…イーロン・マスク氏の要職就任で危ぶまれる “政治リスク”

X社を所有するイーロン・マスク氏(写真・アフロ)
3月10日の夜から11日未明にかけて、SNSのXで、断続的に不具合や表示の遅れが出る通信障害が発生。日本や米国、英国など世界中で影響が出たと見られており、Xでは《Twitter障害》《Xの調子》といったワードがトレンド入りする事態となった。
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「21時くらいから多くの人に障害が発生したようです。Xを開こうとしても、カーソルがくるくる回り、画面が切り替わらない状態です。23時ごろにようやく通信障害に関するニュースが報じられ、ようやく多くの人が認識しました」(IT担当記者)
実際に不具合が発生したのは19時ごろからのようで、
《Twitterの調子悪すぎてdowndetectorっていう通信障害確認できるサイトでX調べたら、ものすごい数の不具合の報告あってビビった》
といった声のほか、元お笑いコンビ『プラスマイナス』の岩橋良昌も、午後7時台に、
《Xが動かなくなった これも呟けてるのかどうか SNS規制か?》
とポストするなど、突然の不具合に慌てた人が多かったようだ。
そんななか、Xを所有するイーロン・マスク氏は、11日未明、自身のXで
《Xに大規模なサイバー攻撃があり、現在も続いている》
と投稿。さらに
《毎日のように攻撃を受けているが、今回はかなり大規模だ》
《大きな組織や国家が関わっている可能性があり、追跡している》
などとポストし、物議を醸している。
「この件で、マスク氏はアメリカのニュースチャンネル『FOXビジネス』のインタビューでも、『ウクライナ地域から発信されたIPアドレスでXのシステムをダウンさせようとする大規模なサイバー攻撃があった』と説明しました。
また、米ブルームバーグは、パレスチナ支持派のハッキング集団『ダーク・ストーム』が犯行声明を出したことや、ダーク・ストームの担当者が『この攻撃はイスラエルに対する広い活動の一環だ』と語ったと報じています」(同)
現時点で日本での障害は解消したとみられるが、一連の騒動に、Xでは、
《あくまで印象だけど、そんな感じはしてた。復旧してはすぐ落ちるをあんなに長い時間繰り返してたのもそれならボクの中で納得がいく》
《それであんなに重かったんだ 日々狙われる立場って大変》
といった声のほか、
《人員削減で優秀な社員の首切ったせいで自分の首絞めてるんだったら早いところ青い鳥に帰ってきて貰いたい所存…》
など、マスク氏が買収して以降の、現在のXに不満を持つ人の声も多くあがった。
「現在、自民党が公職選挙法の改正案として、SNS規制を検討していることもあり、岩橋さんのように『SNS規制か?』と思った人もいたようですが、Xの通信障害は時折起こるため、比較的、冷静に受け止めた人もいたようです。
とはいえ、今回の通信障害によって、X以外のSNSをいくつか持っておく重要性を説く人も現れるなど、ネットニュースのコメント欄ではさまざまな議論が交わされていました。
とくに、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏は、米国トランプ政権の『政府効率化省』のトップを務めています。もはやXは私企業が運営するSNSなどではなく、きわめて高度な政治性を帯びたツールとなりつつあります。
また、SNSは連絡ツールの一種として、社会インフラのひとつにもなっています。こうしたサーバー攻撃は今後もいくらでも起きうるので、ユーザー側でも何らかの対策が必要でしょうね」(ITライター)
社会全体のSNS依存は深刻だ。