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「石破首相では選挙を戦えない」西田昌司議員が “倒閣宣言” も党内は猛反発…たんなる “保身” 扱いされる裏事情とは

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記事投稿日:2025.03.13 17:39 最終更新日:2025.03.13 17:39
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
「石破首相では選挙を戦えない」西田昌司議員が “倒閣宣言” も党内は猛反発…たんなる “保身” 扱いされる裏事情とは

石破茂首相(写真・JMPA)

 

「今の体制では参議院選挙を戦えない。党総裁選を実施し、新たなリーダーを選びなおさなければならない」

 

 3月12日、自民党の参院総会でまさかの「倒閣」を口にしたのは、西田昌司議員だ。

 

「この総会は記者には非公開のものでしたが、出席者がメディアにもらし、発覚しました。とはいえ公的なもので、秘密の会合でもなんでもないので、西田議員としては、公然と反旗を翻したということです。石破茂首相の支持率は決して高くはありませんが、なにか大きな事件が起きたわけでもない。かなり異例の発言です」

 

 裏金事件などによって国民からの支持を失い、現在は少数与党の自民党。支持率が回復する兆しもなく、このまま参院選に突入すれば苦戦するのは間違いない。自民党内でも西田議員の発言に盛り上がりを見せているかと思いきやーー。

 

「冷めきってますね。誰も西田議員についていこうとは思っていません」

 

 と語るのは自民党の中堅議員だ。

 

 

「そもそも先の総選挙で敗北した最大の原因は、西田さんも所属していた旧安倍派が中心になっておこなっていた裏金事件です。西田さんはすでに政倫審に出席して釈明をしていますが、裏金は秘書が受け取っていたため知らなかった、などと発言しています。

 

 西田さんに還付された裏金は411万円。これだけの使途不明金が事務所内にあったのに、知らぬ存ぜぬで通すのは無理があるでしょう。自民党を傷つけた張本人が、どの口で言うのかという反発はありますね」

 

 西田議員は、3月10日に自身の動画投稿アカウントで、「自民党大会での石破総理の演説『心に響かぬ』」とも投稿している。西田議員が石破首相に強い不満を持っているのは間違いない。

 

 別の自民党議員がこう憤る。

 

「西田さんは、『高市早苗前経済安保相が有力な総裁候補だ』と踏み込んだ発言をしました。高市さんは先の総選挙で、裏金問題に関わった派閥幹部と一部議員を公認しなかったことについて、苦言を呈していました。今年、改選を迎える西田さんとしては、公認が取り消されるのではないかと心配で仕方がないんです。

 

 西田さんの京都選挙区には、日本維新の会の公認候補者が出ます。維新の選挙運動は攻撃的かつ組織的です。西田さんの裏金問題は総攻撃されるに決まっています。選挙活動に制限がある無所属では、ひとたまりもないんじゃないですかね。

 

 つまり、西田さんとしては自分の政治生命を守るために、高市さんが首相になって公認してもらい、守ってもらいたいということですよ。

 

 西田さんは、安倍さんが亡くなった後に復活したパーティー券還流について、『積極的に続けていた幹部の責任が重大だ。責任を取ってもらわねばならない』と厳しく批判する一方、自身については『迷惑なことだ』『巻き込まれた』と、まるで被害者かのような発言ばかり。裏金議員がどの口で倒閣を煽っているのか、理解できませんよ」

 

 一連の西田議員の発言には、X上の反応も冷ややかだ。

 

《要するに『看板を代えれば国民は馬鹿だからまた自民党に投票する』と言っているようなもの》

 

《自民党がここまで落ちぶれたのは別に石破さんのせいじゃないし。ただの保身》

 

 西田議員と同じ参議院議員で、大阪府連会長になった青山繁晴議員も、やはり3月12日のラジオ番組で、現行憲法下で初めて予算案の修正に応じたことや、高額医療費の負担上限引き上げ凍結を表明したことなどをあげ、「政局の始まり」「首相は一定の政治責任を取らねばならない」と石破首相の退陣を求める発言をしている。

 

「青山議員は無派閥ですが、基本的には安倍元首相に近い議員とされています。つまり、現在の倒閣の動きは旧安倍派周辺に限定されているんですよ。

 

 西田さんは、予算案が通るまでは石破首相を支えるとも発言しています。一方、青山さんは予算案が修正されたことに石破首相の政治責任があると。

 

 しかし、そもそも予算をめぐる混乱は総選挙で少数与党になったからで、その原因はおもに裏金問題です。現在の自民党への不信は、政治とカネに尽きます。これまで何度も起きた政治資金にまつわる不祥事をなおざりにしてきたことへの、国民の批判と不満なんです。

 

 首相を代えればすむ問題ではなくて、自民党の体質改善こそが急務のはず。政局を求めるあたりが西田さんも青山さんもまったく危機感がない。国民の不満の根本的なところがわかっていないということなんですよ」(政治部記者)

 

 たとえ首相が交代しても大敗は避けられそうにない。

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