社会・政治
「平均月給」過去最高も “手取り減” にあふれる恨み節…石破政権「年金法案」提出でさらなる “負担増” の懸念

疲れた表情を見せる石破茂首相(写真・長谷川 新)
3月17日、厚生労働省は2024年の「賃金構造基本統計調査」を発表。
フルタイムで働く労働者の平均月給が、2024年は33万400円となり、調査を開始した1976年以降で過去最高となったことがわかった。男性は36万3100円、女性は27万5300円。
2023年は31万8300円だったため、前年比で3.8%増えたことになる。政治担当記者がこう言う。
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「平均月給は2008年に30万円を割り、2014年までの7年間は29万円台と低迷し、2015年にようやく30万4000円と30万円台に戻りました。以降、2019年に前年比マイナス1700円、2021年に前年比でマイナス300円になりましたが、ここ3年間は増加しています。
ただし、3月10日に厚労省が発表した2025年1月の『毎月勤労統計調査』では、実質賃金が前年同月比で1.8%減となり、3カ月ぶりに実質マイナスとなりました。
実質賃金の計算に使う消費者物価指数の上昇率が4.7%と、お米やキャベツといった食料品の値上がりなどが大きく響いたとみられています」
月給は上がるものの、手取りが減っている状況に、Xでは、
《賃金上がってる実感はあるんだが、給与明細見た時に手取りがめちゃくちゃ引かれてると徒労感が半端ない…》《これって「手取り」額じゃなく「支給」額だからね。ここから所得税だの市県民税だの会社によっては組合費だの積立金だの引かれるから、結局手取り額見て給与アップした実感はあまり得られないと思う》《手取りは減ってるよね?》
などと国民の恨み節が相次いでいる。
国民の不安にさらに追い打ちをかけそうなのが、夏の参院選に悪影響を及ぼす可能性があるとして、当初、政府・与党が先送りするとみられていた「年金改革関連法案」の今国会への提出だ。
3月16日、石破茂首相は福岡資磨(たかまろ)厚労大臣と会談し、年金改革関連法案を今国会に提出するために引き続き調整を進めるように指示した。
「『年金改革関連法案』では、パート労働者や短時間労働者、そして個人事業所の厚生年金加入拡大や国民年金(基礎年金)の底上げに厚生年金の積立金を使うことなどを掲げていますが、それによって、保険料の負担増やサラリーマンの厚生年金加入者の受給額が減ることが懸念されています。
厚生年金加入者の年金受給額は2026年度から2045年度までは現行制度より減ると試算されていて、最大で月7000円減るとみられています。法案を提出し、議論が進めば、国民のさらなる反発を買うことも予想されます」
月給が上がるのはもちろん歓迎すべきことだが、喜んでばかりはいられないようだ。