
石破茂首相が新人衆院議員15人との会食懇親会に先立って配った「10万円商品券」で、自民党に大逆風が吹いている。
「週末、地元に帰った自民党議員を襲ったのは、地元支持者からの『愛想尽かし』です。政治とカネに真正面から向き合うと思われていた石破首相が、およそ庶民とはかけ離れた金銭感覚だったことにがっかりした声が圧倒的だったそうです。
近畿圏の中堅議員は『この1年、ずっとカネのことで頭を下げていた気がします』と嘆いていました」(政治担当記者)
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特に、今夏の参院選で改選を迎える議員は深刻だ。自民党関係者は「(選挙結果は)死屍累々になるのではないか」と深刻な表情で語る。
そうしたなか、自民党幹部から「ガソリン暫定税率の早期廃止」を求める声が公然とあがり始めた。
「ガソリン税は、現在、1リットルあたり28.7円の『本則税率』に25.1円の『暫定税率』が上乗せされています。
立憲民主党、国民民主党は2025年4月からの廃止を、日本維新の会は2026年度からの廃止を主張し、自民党・公明党との協議を進め、自公維3党は廃止自体について合意しています。
しかし、国と地方あわせて年約1.5兆円の減収が見込まれるため、自民党内では今なお廃止には消極的な意見が多いのも確かです。実際、自民党は、廃止時期について明言するのは慎重に避けてきました」(経済担当記者)
これに異を唱えたのは、夏の参院選で改選となる松山政司参院幹事長だ。3月18日に記者会見で、「廃止は決定しているが、いつからどうするかは中ぶらりんだ。早急に判断をしていくことが大事だ」と述べ、政府が支給しているガソリン補助金についても「より支援できるものであれば、早期に検討して実施すべきではないか」と継続に言及した。
「参院選に向けて『手柄』がほしい自民党にとって、ガソリン暫定税率廃止は物価高に苦しむ国民に訴えやすい政策です。そのため、大苦戦が予想される選挙を目前にする議員が、石破内閣に『催促』したということです。
野党議員からは『なにを今さら。真剣に協議すれば早く結論が出せていたはず』と冷ややかな反応が聞こえてきます」(前出・政治担当記者)
総裁のカネ問題で揺れる自民党だが、選挙のために「カネでの手柄」を求める声が出始めた。自民党の窮地が窺い知れる。