社会・政治
反発集めた奈良県“2億円K-POPコンサート”予算案、9分の1に縮小されてもなお否決…知事の「理解に苦しむ」反応にやまぬ批判

紅白に初めて出場したILLIT(2024年)
日韓国交正常化60周年と韓国・忠清南道との友好提携15周年を記念して、2025年10月に奈良公園で開催が予定されているK-POPライブの無料イベント。
2024年12月の段階では、舞台設営なども含めて総事業費は約2億7000万円の予算がかかる見通しが発表されていたことで、当初から県議会でも異論の声があがっていた。X上でも、
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《奈良県民だからこそ言わせて!税金2億7000万円も使って奈良公園でkpop無料ライブやるのはさすがにダメでしょ!》
《奈良県民全員がKPOPアイドル好きならいいけどそうじゃない人もいるんだし、ファンが金払えよ……なんで税金で儲かりもしない無料ライブなんかするんだよ》
など、批判の声が殺到していた。
「開催予定地である奈良公園といえば、県の象徴で国の天然記念物でもある『奈良のシカ』が多く生息しています。鹿を目当てに多くの観光客が訪れるスポットですが、2023年10月には、予算不足等による問題が発覚していました。奈良公園内にある県所有の施設『鹿苑』では、農作物を荒らすなどの被害を与えた約240匹の鹿が“特別柵”という一般公開されていない敷地に収容されていましたが、うち7割もの鹿が“飢餓状態”に陥っており、年間50頭以上が死亡していたことが、同施設で鹿の保護に当たる『奈良の鹿愛護会』医師の内部通報により明らかになったのです。
この件について、奈良県の山下真知事は、問題の根幹のひとつとして補助金の額が十分ではなかったことを認めた上で、増額を奈良市と相談していくことや、県民以外にも支援を呼びかけたいと11月の知事臨時記者会見で語っています。
開催予定地が予算の問題を抱えているなかで、1日限りのコンサートに多額の税金が投入されることに、多くの疑問の声があがっていました」(政治担当記者)
そんななか、奈良県議会の予算審査特別委員会は、3月18日、イベントの費用を盛り込んだ令和7年度一般会計当初予算案を反対多数で否決した。
「県は当初、事業費約2億7000万円を予定していましたが、県議会の反発を受けて、当初の9分の1となる約2900万円に縮小、同予算案に盛り込んでいました。しかし、反対した自民党会派の議員からは『予算は短期間に大幅に変更され、妥当性を問う議論が不十分。目的に一貫性を見出しづらい』などの声があがり、この日の委員会で『賛成3、反対6』で否決されました。これを受けて、山下真知事は『議会にかなり歩み寄って予算案を作成したつもりだったので、今回の否決については、反対理由について理解に苦しむところがある』などと語りました」(同前)
この報道がなされると、Xでは「奈良のK-POPコンサート」がトレンド入り。X上には、
《理解に苦しむ??こっちのセリフ》
《みなさんの力でKPOPコンサートの予算案が否決になりました 政府や自治体が勝手に進めてもみんなが声をあげたり、NOの意思をみせれば覆せるといういい例に》
《ざまー!こんな必要ないもんやらんでいいわ!》
など、賛同の声が多くあがった。タレントのフィフィも、記事を貼りつけ《どうしてもやりたいなら、知事のポケットマネーで》とひとこと、ポストした。
「山下知事としては、9分の1まで予算を縮小しており、なぜそれでも否決されるのかという気持ちなのでしょう。世間の反応を受けてしっかりと予算を変えたのは理解できますが、2900万円に縮小した状態で、それでもK-POPにこだわる必要があるのか難しいという声も聞かれます。日韓関係を発展させるイベントという意味では、別の形を模索する必要がありそうです」(前出・政治担当記者)
血税は、誰もが納得できる使い方をされるべきなのは間違いない。