社会・政治
ついに自民党政調会長まで批判し出した「石破政権」の“断末魔”信頼関係ある“防衛族”後輩からも尽かされた愛想

3月22日、自民党福島県連定期大会に出席した、党政調会長の小野寺五典氏の発言が波紋を広げている。
政治担当記者が話す。
「小野寺氏は、大会のなかで『政府に言いたい。高額医療費の問題や政治資金の問題、商品券の問題で、この厳しい状況に影響を与えないでほしい』などと述べました。
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残り1週間ほどになりましたが、少数与党によって2025年度の予算案が年度内に成立すれば、憲政史上初めて。小野寺氏としては、政調会長としてそれほど厳しい予算成立を前に『余計な問題はこれ以上、起こすな』と訴えたかったのでしょう。
ただ、党三役である政調会長が政府に苦言を呈したことは、大きな話題になっています」
石破茂首相は、少数与党として、これまで国民民主党が訴える「103万円の壁」の撤廃や、日本維新の会が求める「高校教育無償化問題」など、野党各党との政策協議について、小野寺氏に対し、野党各党の考えを聞きながら自民党案をまとめるよう指示してきた。
自民党ベテラン秘書が話す。
「小野寺氏にとって石破氏は、同じ防衛大臣を務めた“防衛族”の先輩で、安全保障問題など防衛分野で政策をともに作り上げてきた信頼関係があります。2024年の自民党総裁選でも、小野寺氏は決選投票で石破氏に票を投じていますからね。ですから、本音では彼もそんな文句は言いたくなかったはず。
小野寺氏が石破氏に言いたかったのは『政治倫理審査会(政倫審)には出ないでくれ』、または『出るにしても、余計なことは言わないでくれ』ということだと思います」
石破氏が2024年秋の衆院選で当選した15人の新人議員に、ひとり10万円の商品券を配った問題で、野党は石破氏の政倫審への出席を求めている。これに対して、石破氏は政倫審に出席し、弁明する意向を示しているが、政倫審の開催は予算成立後の4月が見込まれている。
「福島県連定期大会の前日の21日、小野寺氏は『BSフジLIVE プライムニュース』(BSフジ)に出演し、この商品券問題について、石破氏がこれまで参院予算委員会などで説明してきているため『あらためて政倫審で議論しても同じことの繰り返しになる』『国会の審議の場では、ほかにもっといろいろな議論もある』などと、野党の石破氏への政倫審出席を求める声を牽制していました。
小野寺氏は石破氏の“正直すぎる”性格をわかったうえで、政倫審に出れば、余計なことをしゃべってしまって、石破氏のみならず、党への批判がさらに強まりかねないことを懸念しているのでしょう」(同前)
3月22・23日に実施された共同通信の世論調査では、石破内閣の支持率は前回よりも12ポイント減の27.6%と急落し、2024年10月の内閣発足以来最低となり、不支持率は16ポイント増の57.8%と急増している。
「小野寺氏の発言の真意はわかりませんが、普通に身内批判に聞こえますし、ガス抜きと勘繰りたくもなります。いずれにせよ、公の場で政調会長が政府に注文をつけたわけですから、石破政権は“断末魔”の様相を呈しているようにみえます」(前出・政治担当記者)
石破氏は坂道を転げ落ちていくしかないのだろうか。