社会・政治
ケネディ暗殺事件「機密文書」公開、トランプ大統領の真の狙いを研究者が解説

新しく公開された、ケネディ暗殺の機密文書(写真・共同通信)
アメリカ国立公文書館が、いまだ疑惑に包まれている1963年のケネディ大統領暗殺事件に関する機密文書を公開した。だが3月21日現在、現地各紙では「新情報は含まれていない」との結果を報じている。なぜトランプ大統領は、機密文書を公開したのか。現代アメリカ政治外交に詳しい、前嶋和弘上智大学教授が解説する。
【関連記事:ケネディ大統領夫人「ラブレター」で発覚した「悲しすぎる恋」】
「ケネディ元大統領暗殺の機密文書にどういった内容が含まれているか、トランプ大統領自身も知らないでしょう。単純に彼は以前から機密文書公開をしたかったのです。理由は、『注目されることをしたい』『歴代大統領ができなかったことを私はやれるんだ』という功名心です。ケネディ元大統領へのシンパシーなどありません。トランプ大統領と(ケネディ元大統領の長女)キャロライン・ケネディとは以前から犬猿の仲ですからね。
もし、ケネディ元大統領がキューバや旧ソ連と関係している記述が見つかれば、『ケネディは共産主義だった。(当時の)民主党はとんでもないことをしていた』と喧伝するつもりだったんでしょう。アメリカ議会でも、ケネディ大統領暗殺事件を(リアルタイムで)知っている議員はかなり少なくなりました。そうしたこともあり、議会も国民も冷静です」
どうやら、トランプ大統領の思惑どおりにはいかなかったようだ。だが、かねてよりケネディ暗殺にさまざまな考察を寄せているオカルト研究家の山口敏太郎氏は、新文書についてこのように言及した。
「ケネディ暗殺の新文書について、私もチェックしていますよ。しかし、新事実と言えそうなものはあまりないです。今後、すべてが公開されずに、肝心なところは黒塗りのままじゃないでしょうか。なぜなら私は、ケネディ暗殺の真犯人は全員だと見ています。全員とはCIA、FBI、キューバ、マフィア、この4つの組織です。ケネディの暗殺という悲劇によって、アメリカは一つになることができたのです。そのために暗殺したんだと思います。ケネディは、いわば生贄です」
疑惑はベールに包まれたままだ。