社会・政治
「10万円商品券」問題に揺れる石破内閣、支持率「あと一歩で退陣ライン」の“土俵際”待ったなし状態に

疲れた表情を見せる石破茂首相(写真・長谷川 新)
石破茂首相が、2024年10月の衆院選で初当選した新人議員に配った「10万円商品券」問題。この件に端を発し、岸田文雄前首相や菅義偉(よしひで)元首相らも、同様のお土産を渡していたことが明らかになり、自民党の“世間離れ”した風習が明らかになってきた。政治資金規正法違反を疑う向きもあり、この“お土産”が政権を揺るがす事態になっているのだ。
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「発覚後、報道各社が世論調査をおこないましたが、内閣支持率は、2月調査から共同通信が12ポイント減の27.6%。朝日新聞は14ポイント減の26%、読売新聞は8ポイント減の31%、毎日新聞は7ポイント減の23%、産経新聞は13.9ポイント減の30.4%など、軒並み政権発足以来最低を記録しました。とくに、無党派層の“石破離れ”が顕著です」(政治担当記者)
こうしたなか、3月25日付の日本経済新聞が、「石破政権が危険水域に入った」ことをほのめかす記事を掲載し、永田町をザワつかせている。
「調査方法が異なるために単純な比較はできない、と前置きをしていますが、記事には、内閣支持率が『30%台前半になると浮上は難しい。2000年以降、9つの政権が34%以下になった。いずれも、この水準に落ちて1年以内に退陣した』とあります。
日本経済新聞社が3月21日から23日に実施した世論調査の内閣支持率は、2月から5ポイント減の35%でした。この記事に照らせば、石破内閣はまさに“土俵際”です」(自民党議員秘書)
石破首相は商品券問題発覚以降、夜の会合を自粛していたが、3月24日夜は、東京都内のホテルで岡山県美作(みまさか)市の萩原誠司市長ら「首長有志の会」の十数人と会食した。
「石破首相は『商品券の件で、みなさんにご迷惑をおかけしてしまい、すみません』と頭を下げたそうです。ちなみに、石破首相からの“お土産”はなかったということです」(同前)
石破首相としては、徐々に通常運転へ戻したいところだが、内閣は少数与党だ。6月22日の会期末までに内閣不信任案が提出され、「オール野党」で賛成されると、可決され、衆院の解散か内閣総辞職を余儀なくされる。石破首相が“土俵”に残れるか、それとも押し出されるか……。待ったなしの状態だ。