社会・政治
大阪万博、フードコートの “攻めすぎ価格” の理由を担当者に直撃も…露わになった部署間の「連携不足」

【画像あり】驚きの声が集まった万博フードコートの様子大阪万博のフードコートの高価格には吉村知事もびっくり?(写真・馬詰雅浩)
黒毛和牛キンパ(韓国風海苔巻き)2500円、フライドセット3種2700円、黒毛和牛カルビ丼ぶり3500円……高級店の値段ではない。大阪万博のパビリオン内に出店している店のものだ。事の発端は、3月23日に大阪市議の辻義隆氏が自身のXへ上げたこんなポスト。
《大阪ヘルスケアパビリオンの中には飲食店舗も。フードコート風でパビリオンの外には、テラスがありそこで食べる仕様。ビールを販売するキッチンカーもありました》
投稿には4枚の画像が添付されている。
「内覧会に参加したときの様子で、大阪ヘルスケアパビリオン内のフード・物販エリアの様子が写っています。薬局やほっかほっか亭などさまざまな店舗があるようですが、『韓国料理bibim’』という店のメニュー表がしっかりと写り込んでいたんです」(在阪記者)
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一番安い韓国風のり巻きのキンパが2500円、カルビ丼は3500円とかなり強気の価格設定なのがわかる。この画像に対し、いまSNSで批判の声が飛び交っている。
インバウンド需要を見込んでいるのか、そもそも万博価格の設定が高いのか。その背景を関係団体に聞いてみた。
本誌は、まず「2025年日本国際博覧会協会」の代表電話番号である「大阪・関西万博総合コンタクトセンター」に連絡したが、問い合わせるだけで20秒につき10円が加算されるシステムにもかかわらず、6分間待ってもつながらない。
次に「大阪市万博推進局」に聞くと、「電話番号はわからないので自分で検索してほしい」としつつ、今度は「大阪外食産業協会」をすすめられた。そこに連絡するも、今度は「食博覧会実行委員会」をすすめられる。ここで取材内容について相談すると、大阪ヘルスケアパビリオンは「2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会」という別の部署が担当しているという。
しかし、その委員会の事務局があるのは、先ほどすでに電話している大阪市万博推進局だ。部署間の連携はまったく取れていない様子が垣間見えた。
1時間以上たらいまわしにされ、ようやくたどりついた担当部署に高額の理由などを質問したところ、「担当者に確認して折り返す」との返答があった。翌日の午前10時20分、ようやく「ミライの食と文化」担当者への取材が実現した。
――Xでカルビ丼の価格が話題になっているのは知っていますか?
「把握しております。直接の担当者にも確認したのですが、価格等につきましては、われわれのほうで適正価格などを設定しているわけではないんです。
一応、『ミライの食と文化』というゾーンになるんですけれど、こちらは企業さんが創意工夫なされて出店されますので、それにあわせて設定されている価格だと、われわれは認識しています。なので、それ以上のコメントというのは差し控えさせていただくと……」
――「さすがに高すぎるのでは」という疑問の声もあるが。
「はい……はい。まあ、そういうこともあるでしょうけれど、この万博のために各社さん、メニューの開発であったり、ご苦労をされたうえでの価格設定だと思いますので……」
結局、なぜ2500円のキンパや、3500円のカルビ丼が売られることになったのか、明確な返答はなかった。これでは、多くの人が行く気をなくすのではないか――。