
3月10日、「総理大臣にする会」の会場から出てきた玉木雄一郎氏(写真・長谷川 新)
「なんとかならんのかなあ、なんとかするからさあ」
国民民主党の玉木雄一郎代表が“パワハラ被害者”にかけた言葉が、波紋を広げている。発端は、2024年6月に国民民主党の千葉県連で起きた離党騒動だ。
「同党所属だった千葉県浦安市議の工藤由紀子氏が、党の国会議員と県連幹部からパワハラを受けたと訴えているんです。パワハラにより体調を崩し、適応障害の診断を受けたことで、離党届を提出したことで話題となりました。この問題では、工藤市議への県連の対応に嫌気がさした県議や市議ら、ほか3人も離党しています。
パワハラの疑いがかけられているのは、先の総選挙で千葉5区から立候補して落選、比例復活した岡野純子衆院議員と、県連幹事長の天野行雄千葉県議です。結婚を機に浦安市に転居して市議になった岡野議員が、同地で“ママ友”になったのが、工藤氏です。岡野議員が国政に挑戦するにあたり、市議の“実質的な後継”として、政治には素人である工藤氏に白羽の矢が立ったのです。勉強しながら市議になり、先の総選挙では岡野議員の選対事務局長を務めたものの、“友情”は崩壊。岡野議員が工藤市議をあまりに厳しく指導し、体調不良になったといわれています。さらに、天野県議が連日のように支持団体からの応援を入れたため、その調整でもたいへん苦労したそうです」(国民民主党関係者)
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所属議員が4人も離党を宣言するのは、まさに異常事態。ようやく党本部も重い腰をあげたという。
「現在、円より子議員を委員長として、倫理委員会とハラスメント対策委員会の合同調査委員会を立ち上げ、関係者からのヒアリングをおこなっています。離党した4人のうち、工藤市議ともうひとりは自主的な離党ですが、ほかの2人は、党から離党勧告を受けています。異議を唱える議員を切るような、こうした処分の妥当性も問われることになるでしょう。岡野議員と天野県議には、何らかの処分があるといわれています」(同前)
長らくこの問題を放置し続けた党本部への批判の声は、日に日に強まっているという。とくに冒頭のとおり、玉木代表はパワハラの訴えを“翻意”してもらうよう動いていた可能性が指摘されているのだ。
「玉木さんは2024年6月、パワハラ被害を訴える工藤市議と面会しています。そして『なんとかならんかなあ』と工藤市議に声をかけているのです。この発言は、工藤市議には離党を思いとどまってもらい、パワハラ被害の告発をやめてほしい、という意図だととらえられかねません。玉木氏のこの発言が知られるにつれ、党本部への反発が強まっている状況です」(同前)
玉木サイドとしては、どうしても処分を軽くしたい理由があるという。
「加害者と目される天野県議は、国民民主党の支援団体である電機連合の組織内候補です。天野県議や、そのほかの組織内候補にダメージがいくのを避けたい意向があるのだと思われます。国民民主は、夏の参院選で21議席獲得を目標にしていて、それだけの候補者を擁立するとなると、やはり大口の支援者に頼らざるを得ないんです」(政治部記者)
玉木氏の発言が事実なのか、事務所に確認したところ、
「お尋ねいただいている党千葉県連の件については、さる令和7年3月12日に党両院議員総会にてハラスメント対策委員会及び倫理委員会による合同チームの設置が決定し、現在調査に着手しています。
お尋ねの内容は、当該調査に関わるものでございますので、合同チームによる調査に予断を与えないよう、回答は差し控えさせていただきます」
との答えだった。
パワハラはもちろん、政治で友情が崩れ去ってしまったのだとしたら、それ自体が残念な話だ。