社会・政治
麻生太郎 “若い衆”を従え朝散歩…コワモテ“ヤンキースジャージ”は“トランプ旅行”のお土産【写真あり】

朝の散歩をする麻生太郎(写真・伊藤 修)
まるで映画のワンシーンのようだーー。4月上旬の早朝。都内の高級住宅街でサングラスをかけラフな格好で歩く“ボス”の後ろをぞろぞろと“若い衆”がついていく。“ボス”は自民党最高顧問の麻生太郎氏だ。
「麻生さんを取り囲んでいるのは、報道各社の政治部記者ですね。麻生さんは首相在任時を除いて、ほぼ毎日、朝の散歩を日課にしています。オフレコなので記事になることはありませんが、麻生さんの本音が聞ける貴重な機会なので、担当記者にとっても重要な日課です」
麻生氏といえばクラシカルなスーツ姿が定番だが、この日は“コワモテ”なニューヨーク・ヤンキースのセットアップジャージを着用している。
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「このジャージは昨年4月、大統領選に出馬を表明し勢いを取り戻していたドナルド・トランプ氏との私的会談のためにNYを訪れた時の土産と聞いています。送り主がトランプ氏かどうかはわかりませんが、米政府関係者にプレゼントされた可能性が高いですね。麻生さんは気に入った服を修理しても着続けることでも知られています。新しい服を着ているのは珍しいことです」
現在、自民党で唯一の派閥を率いる麻生氏だが、“のんびり散歩”している暇はない。徐々にその土台が崩れつつあるのだ。
「麻生さんは萩生田光一さんら処分が明けた旧安倍派幹部と次々に会合を持っています。 旧安倍派幹部は派閥を再結集したいものの、若手中堅議員を中心にまだ幹部への責任論が燻っていてまとまらない。一方、 麻生さんはキングメーカーとして復権したい思いがあり、そのためには旧安倍派と連携してポスト石破に備える必要があるのです。
ただ、党内ではこうした活動を冷ややかな目で見ている議員が多いですね。というのも、地元福岡の足場がぐらついているんですよ」(自民党関係者)
福岡の県議会では、突如自民党の会派が再編し、新たな県議団が生まれたという。
「再編したといっても、旧自民党会派がそのまま移動しただけです。ただ、一人だけ会派を外れた県議がいます。麻生さんの地元家老とされる県議で、取り残される形で一人会派になりました。
県議会議長には県議会のドンとして29年以上、君臨している蔵内勇夫氏の異例の2回目の就任が内定しました。蔵内氏は全国都道府県議会議長会の会長選への立候補も予定していて、就任すれば福岡県議会では初のことです。じつは蔵内氏は世界獣医師会会長でもあり、加計学園の獣医学部問題で麻生氏との関係悪化が伝えられていました。
今回の議長就任は、全国議長会トップへの就任という蔵内氏の野望を叶えるためであり、これを差配したのが現在、落選中で元総務相の武田良太氏です。旧二階派の幹部だった武田氏は、県知事選、市長選でことごとく麻生氏に対抗してきた経緯がありますが、現在の福岡県連はほぼ武田氏の手中にあります。後継問題で地元での力を取り戻す必要がある麻生氏にとっては致命的ですよ」
“ボス”の地位はもはや砂上の楼閣というわけだ。