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金正恩の妹より目立った平昌五輪「ニセ金正恩・トランプ」の正体

社会・政治 投稿日:2018.02.13 11:00FLASH編集部

金正恩の妹より目立った平昌五輪「ニセ金正恩・トランプ」の正体

Press Association/アフロ

 

 なにかと話題に事欠かない平昌オリンピック。北朝鮮からは金正恩委員長の4歳年下の妹、金与正(キムヨジョン)が「ほほえみ外交」の主役として開会式に登場した。彼女のあだ名は「北朝鮮のイバンカ」。イバンカとは、もちろんトランプ大統領の娘のことだ。

 

 トランプ大統領の特使として参加したペンス副大統領が北朝鮮代表団と握手しないどころか、目も合わせなかったのと対照的に、韓国の文在寅大統領は3日間彼女に付き合い、南北融和に道筋をつけようと笑顔で対応。金正恩委員長からの親書を持参したこともあり、妹とはいえ、国賓並みの厚待遇であった。

 

 面白くないのはペンス副大統領と安倍首相だろう。内外のメディアは「北朝鮮のイバンカ」に釘付け状態で、隅に追いやられた格好になったからだ。
 

 これではオリンピックの主催者がまるで北朝鮮と思えるほど。アメリカも、金与正が訪韓するとの情報は事前に入手していたが、これほど人気を博するとは想定外だったに違いない。

 

 金与正は、兄の金正恩とともに、幼い頃、スイスに留学し、その後も海外との接点が多い。父である故金正日総書記が「最も政治家に向いている」と断言したほど。

 

 乗馬が得意で、周りの男どもの操縦も手慣れたもの。この流れを逆転するには、閉会式に本物のイバンカを派遣するしかないと思われる。

 

 ところで、開会式の会場に金正恩とトランプ大統領のそっくりさんが揃って登場したことも、世界中のメディアで話題となった。大慌てした警備関係者に連れ出されたが、自分たちのチケットを見せて、本来の座席に移動したことで一件落着。

 

 金正恩のそっくりさんはハワードXという芸名で知られる香港人。2013年の香港マラソンに金正恩になりきって参加したことで一躍有名になった。オーストラリアに住んでいるが、パロディ映画やテレビコマーシャルで活躍中。

 

 一方のトランプ大統領のそっくりさんはシカゴでミュージシャンとして知られるデニス・アラン。しゃべり方や立ち居振る舞いを研究し、ものまね界のニュースターとなった。

 

 これまでも2人揃って出演する企画はあったが、今回は仕事ではなく、「金正恩とトランプが仲よく語り合う場面を想像してもらいたかった。平和の祭典に花を添えるのが楽しみだった」と韓国訪問の趣旨をアピール。

 

 なかなか大した芸人魂の持主といえるだろう。まだまだサプライズが登場しそうな平昌オリンピック。大いに楽しみたいものだ。

 

(国際政治経済学者 浜田和幸)
 

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