社会・政治
【大阪万博】大屋根リングが “歪んでる”…SNSで相次ぐ指摘に専門家が明かした「意外な回答」

歪みのようなものが見える大屋根リング(写真・時事通信)
4月13日、「大阪・関西万博」が開幕した。チケット販売目標2300万枚のうち、前売り券は1400万枚を設定していたが、開幕約1カ月前の3月5日時点で約806万枚しか売れていなかった。
心配が募るなか、開幕直前になって販売数は約970万枚に拡大。修学旅行などの予約ぶん200万枚以上と合わせると、1170万枚を超えるというミラクルをみせた。
開幕初日の一般来場者は11万9000人。運営スタッフなど関係者も2万2000人が来場した。万博協会は、半年間の会期中のべ2820万人の来場を見込んでいる。
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「しかし、工事の遅れなどから、ネパールやインドなど8カ国のパビリオンや展示スペースが初日に開館できていません。
ほかにも多くの課題が見つかりました。東ゲート付近でネット接続ができず、入場に必要なQRコードの表示に時間がかかったケースがあり、雨脚が強くなった午後には帰宅する来場者が最寄りの夢洲駅に殺到。入場制限がかかったため、電車に乗るのに1時間以上かかりました」(社会部記者)
そして、課題は万博のシンボル「大屋根リング」でも見つかった。開幕初日はあいにくの大雨だったが、大屋根リング内に雨水と見られる水が大量に漏れ「雨漏り」だと伝えられたのだ。
「万博協会も調査に乗り出しました。その結果が14日に公表され、雨漏りではなく、“雨とい” の水があふれて水がリング内に流れ込んだとのことでした。
そうしたなか、新たに『大屋根リングが歪んでいる』という指摘も寄せられました。来場者が大屋根リングの上を歩いている写真がSNSなどにアップされましたが、床の部分が、まるで重みに耐えられなくなったかのようにへこんで見えたのです。
記者から危険性について問われた万博協会は『重みでゆがんでいるという事実はない』と否定しました」(同)
建築エコノミストの森山高至氏も「壊れているのではありません」として、こう解説する。
「大屋根リングはすべてが一体でできているのではありません。全長2kmの丸い形は、いくつものブロックに分かれて造られています。人が立って手をつないでいるイメージです。そのため、数cmの位置のズレはどうしても出てしまう。それを一番上の “屋根” で調整しているため、それが歪みに見えてしまうとするのが一般的な見方です。
ちなみに、『大屋根リング』と呼んでいますが、最上部は事実上 “床” なんです。ですが、“床” と言ってしまうと面積が広すぎてしまい、法律の規制を受けてしまいます。不燃化や耐火などの規制で木を多く使えなくなってしまうのです。そのため、“屋根” 扱いしているんですね」
こうしたなか、15日午後3時頃、雷雲が接近しているとして、大屋根リングの上部が立ち入り制限された。指摘された歪みは不自然なものではないというが、メタンガスの発生や想定外の大混雑、故障ばかりのトイレなど、開幕しても心配が尽きない。何事もなく10月13日の最終日を迎えることを願いたい。