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写写丸が見た「平昌五輪」スケート会場近くの一大歓楽地に潜入

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.02.19 11:00 最終更新日:2018.02.20 12:50

写写丸が見た「平昌五輪」スケート会場近くの一大歓楽地に潜入

 

「俺は去年、モーテルに泊まったよ」
 これは五輪取材中のスポーツ記者から聞いた話。どうやらスケート系種目の会場そばの江陵駅にはモーテル(ラブホ)がたくさんあって、昨年のプレ五輪の際は、そこに滞在する取材陣も多かったという。しかも、噂によればただモーテルがあるわけではなく、駅周辺一帯が風俗街なのだそう。

 

 その情報を確かめるべく、夜の江陵繁華街に向かった写写丸。ふだん宿泊するメディア村から江陵駅までは、タクシーで10分ほどかかる。韓国のタクシーは日本より安く、いわゆる初乗りは2800ウォン(約280円)。10分ほど乗っても4100ウォン(約410円)だ。良心的な価格だが、五輪期間中ということもあって、なかなか空きのタクシーが見つからない。

 

 ようやく訪れた夜の駅周辺は、五輪観光客でごった返している。タクシーを待つ列は50人ほど連なっていて、韓国料理の屋台もいくつかできている。駅の真ん前には大きな五輪関連施設もあるので、もはや怪しい場所は消滅しているのかと思いきや……明らかに異質な路地がひとつある!
 

 LED装飾と大型モニターでキラキラ光る五輪施設の真横に、明かりがついているのかいないのか、といった暗がりが。そして、暗がりの向こうではダウンを厚く着込んだおばさんが立っていて、「○※□◇#△!!」と聞き取れない韓国語で呼んでいる!

 

 怪しい。いかにも怪しい。これは「ちょんの間」なのか? 写写丸は気持ちを落ち着けるべく、少し離れた明るいところから攻めてみることに。ひとまず暗がりを離れてみると、評判通りモーテルであふれている。「風呂つき」を意味しているのか温泉マークばかり。

 

 飲食店、コンビニ、マッサージ、理髪店などがあるなかで、やたら目立つのが「歌う女性」の絵が描かれた店。ちらりと中を覗くとカラオケのようだ。すると、店の人間と思われる女性が「ヘイ! アガシ! アガシ!」と話しかけてきた。

 

 アガシとは韓国語で「かわいいお嬢さん」という意味。写写丸は自慢のグーグル翻訳を駆使して女性に尋ねることにした。

 

——ここはカラオケですか?
「そうだよ。でも、女性とお酒を飲んだりする楽しい場所だよ」

 

——それはどういうことですか?
「つまりは、すべての男が求めるもの……S○X」

 

 なんとカラオケというのは仮の姿だったのだ!
 女性の説明を要約すると、まずは入店して部屋で待機する。そうすると部屋に女性がやってきて、一緒にお酒を飲む。ある程度お酒を飲んでから、一緒にモーテルに行くかどうかを決める。連れ出すとなると、ロングで計60万ウォン(約6万円)、ショートで計40万ウォン(約4万円)かかるという。

 

「ただ、ここらのモーテルはいま五輪で満員なんだよ。だから部屋ですることになるわ」

 

 そう伝えた女性はこちらを見て、お前もどうか? と笑いかけてくる。写写丸は丁重にお断りしつつ、最後にひとつだけ質問。

 

——ここらへんのカラオケはすべてそういったお店ですか?
「そうだよ! ココらへんは全部そう。あれ(マッサージ)もこれ(理髪店)もアガシだよ!」

 

 なんと……。このあたりはすべて風俗店ばかりだったのだ。
 おばちゃんの話を整理すると、「カラオケ」は連れ出し型の店で、「マッサージ」や「理髪店」はサービスを受けているうちに「ハプニング的に」性的奉仕が受けれられるのだとか。

 

 ここまでの基礎知識を得たうえで、いよいよ冒頭の「暗がり」に乗り込むことにした。
 路地には平屋が並んでいて、それぞれ薄明かりがついた看板が出ている。そして、ゆらゆらと動くポン引きのおばちゃん。どの店もだいたい「ちょんの間」的な場所なのだろうと想像がつく。

 

 路地の写真を撮っていると、150cmぐらいの小柄なおばちゃんが懐に潜り込むように近づいてきた。
「◎△&#!! ◎△&#!!」

 

 韓国語で何やら繰り返してくるのだが、聞き取ることができない。これでは埒が明かないので、「ソーリー。アイムジャパニーズ」と返すが、やはり、おばちゃんは韓国語で長々と喋るのみ。おばちゃんは話が通じないとわかったようで、今度はグッと腕を掴んできた。何回も「ノー」と繰り返しながら腕を振りほどくが、おばちゃんも負けじと対抗する。そんな攻防を続けながら、写写丸は必死に早足で路地を抜けていく。

 

 路地の終わりまで来ると、おばちゃんの追撃はパタリとやんだ。何事かと思って前をよく見たら、一本道路を挟んだところに交番が。韓国で売春は違法行為だ。だから、必要以上に深追いはしてこないのだろう。振り返ると、路地の先では追いかけてきたおばちゃんを含め3人ほどで作戦会議をしていた。

 

 ほっと胸をなでおろした写写丸。ひとまず「ちょんの間」から一本外れた道を歩いていると、脇道から急に先ほどのおばちゃんが再登場してきた。驚いた写写丸は再び交番の見える位置まで戻ったが、おばちゃんはにやけながら大声でこう言ってきた。
「イベント! イベント!」

 

 びびってあの夜から戻ってきた写写丸は、いまでも五輪会場で考える。おばちゃんが口にした言葉は、いったいどんな意味だったのか……。

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