社会・政治
菊川怜、出馬完全否定で「参院東京選挙区」に迫るタイムリミット…すったもんだの自民候補選びは “地味な決着” か

参院選への出馬を完全否定した菊川怜(本人のInstagramより)
2025年7月に予定されている参院選まで、あと2カ月あまりと迫った。
注目されるのは「東京選挙区」。改選議席6に加え、欠員1名の補欠選挙を同時におこなうため、定数が「7議席」と1つ増える。ただし、7位当選者の任期は3年(通常は6年)となり、変則的な選挙区となっている。
与野党の立候補予定者は徐々に決まりつつあるが、最大与党・自民党の “2人め” がまだ発表されていない。
自民党都連関係者が言う。
「現職で元厚労大臣の武見敬三先生は、前回は最下位の6位当選でしたが、自民党の長年の支持母体である日本医師会のお抱え議員ですから、外せないので、最初に決まりました。
2021年の衆院選で落選した石原伸晃元衆院議員は、2023年に『2025年の参院選で東京選挙区に鞍替え出馬する』と表明しましたが、人望のなさから都連から総スカンを食らい、選ばれていません。これには石原氏と仲のいい井上信治都連会長も小さくなっていました」
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そうしたなか、4月11日、月刊誌「FACTA」が、自民党の目玉候補として女優の菊川怜を参院選に擁立すると報じた。さらに同日、共同通信が、難民申請者を支援するNPO法人代表理事の渡部カンコロンゴ清花氏を擁立する方向で調整中と報じた。
政治部記者が言う。
「菊川さんの名前は以前から何度もあがっており、今回は実現しそうだという声も党内から出ていました。
渡部氏については、報道が出た後、過去に安倍晋三元首相を侮辱するような表現をしていたことが発覚したため、党本部や都連に自民党支持者や自民党議員から抗議が殺到しました。
そのため、渡部氏の内定は取り消されました。ご本人も4月16日、インターネットの投稿プラットフォーム『note』において、『最終選考に臨みましたが、公認には至りませんでした』と明かし、候補者選びは白紙に戻ってしまいました。
本来なら選挙の3カ月前には立候補予定者を決めるのが常道ですから、参院選まで2カ月あまりに迫った現在、自民党の2人めが決まらないのは非常事態とも言えます」
自民党が2人めの候補者選びにすったもんだする間に、野党は着々と立候補予定者を決めている。
政党支持率が上昇中の国民民主党は、元NHKアナウンサーの牛田茉友(まゆ)氏と人材紹介会社員の奥村祥大氏という30代の新人候補を2名立てる。
立憲民主党は現職の塩村文夏氏と、2024年に参院比例代表に繰り上げ当選したアカペラグループ「RAG FAIR」元メンバーの奥村政佳氏を擁立する予定だ。
公明党は、2024年12月に次期参院選への出馬を見送った山口那津男前公明党代表に代わり、外科医の川村雄大氏が新人として立候補を予定している。
共産党は現職で、党政策副委員長の吉良佳子氏、社民党は弁護士で新人の西美友加氏を擁立する。
日本維新の会は、前回は音喜多駿氏が当選したが、音喜多氏は2024年の衆院選で鞍替え出馬し、落選。現在のところ、候補者は未定だ。
さて、自民党の2人めはどうなるのか。
東京選挙区で自民党から出馬する噂が出ていた聴覚障害のある “筆談ホステス” こと斉藤里恵都議(無所属)については、5月2日に自民党の比例代表で出馬すると報じられた。
そして、自民党が望みをつないでいた菊川は、5月8日、自身のInstagramを更新し、参院選への出馬を否定した。
菊川は《一部報道にて7月の参院選に出馬するというような記事が出ておりますが、そのような事実は一切ございませんこと、お伝えさせて頂きます》とコメントし、さらに《そういった記事が今後も続いてとしても、そのような事実はございませんこと、ご承知頂けますようお願いいたします》と念を押した。
いよいよ万事休すかと思われた自民党だが、まだ “女性候補者” は残っているという。前出の記者が言う。
「都連はもう一人の候補者を女性にすることを決めています。党の支持率が急落しているとはいえ、“腐っても自民党” と考える一定の保守層は存在していますし、今回は定数が1つ増えて7ですから、2人めは当然立てます。前回も丸川珠代氏がトップ当選し、2議席を確保しましたからね。
2人めは元参院議員の大沼瑞穂氏だという声が出ています。4月の段階で大沼氏の名前も出ていましたが、いまさら新しい候補者を発掘するのは時間的にもほぼ無理ですから、大沼氏で決まるのではないでしょうか。
2024年の衆院選では比例中国ブロックから出ましたが、落選しています。ただ、政界に転出する前にはシンクタンク研究員などを務め、第3次安倍第3次改造内閣、第4次安倍内閣では、厚労大臣政務官を務めるなど、実績はあります。
今井絵理子参院議員や生稲晃子参院議員のように自民党の女性タレント議員の評判はあまり芳しくないですから、大沼氏のようにむしろ地味めな候補のほうが有権者からは歓迎されるかもしれません」
知名度より実績が重視されるのは、有権者にとっては嬉しいことだろう。