社会・政治
【2025年上半期ニュース現場は今】「埼玉・八潮市道路陥没事故」復旧まで最大7年、補償も今夏以降にずれ込み

【埼玉・八潮市道路陥没事故】4月21日、復旧工事をする重機のために穴を拡大している(写真・梅基展央、2025年)
埼玉・八潮市で1月28日に起きた大規模な道路陥没で、転落したトラックの運転手(74)の遺体が引き上げられた。事故発生から、95日めの5月2日のことだった。
「現場は広範囲で立ち入り禁止となっています。大型重機による崩落場所の補強工事、流入してくる下水を周辺の水路に流す工事をしていると聞いています」(近隣住民)
埼玉県は4月23日、事故現場周辺の下水道管の復旧工事について「(全面復旧に)5~7年を要する」と、初めて具体的な期間を明らかにした。
事故現場周辺には飲食店や会社も多い。ニュースなどで駐車場の看板が地中に飲み込まれる衝撃的な映像が報じられた「和食麺処サガミ八潮店」も休業を余儀なくされている。
関連記事:【道路陥没】埼玉に続き名古屋でも…「市道・県道の亀裂に注意せよ」全国で起こりうる事故の “前兆” を識者が指摘
「営業再開のスケジュールは未定で、(営業休止は)中長期になると思われます」(サガミホールディングス担当者)
こうしたなかで問題になっているのが、道路陥没事故の被害者への補償だ。しかし、ほとんど進捗はないようだ。
「補償の準備はしておりますが、支払いはできておりません。その理由としまして、(事故発生の)原因究明ができていないことがあります。
原因究明委員会が今夏を目途に報告をまとめるということですので、それを確認して個別の補償交渉に入る予定です」(埼玉県担当者)
写真・梅基展央