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平昌オリンピック観戦のクライマックスは「ペニス公園」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.02.20 20:00 最終更新日:2018.02.20 20:00
日本選手がフィギュアスケートで金、銀メダルを獲得するなど、話題満載の平昌オリンピック。開会式では、アメリカのペンス副大統領と北朝鮮の金正恩委員長の妹、金与正の間で「無視」と「微笑み」合戦が展開された。こちらの戦いでは、金与正が韓国の文在寅大統領のハートを掴んで勝利したと言えそうだ。トランプ大統領は逆転ホームランを狙って、娘のイバンカをオリンピックの閉会式に派遣することを決めた。イバンカの登場で、南北関係や米韓関係にどのような進展が生まれるのか、最後まで興味が尽きない。
ところで、オリンピックの観戦に来た海外の旅行者の間で、意外な観光スポットが人気となっている。平昌から車で1時間ほどの海沿いにある「海神堂(へしんだん)公園」である。何が凄いかといえば、50基を超える大小取り交ぜた男性器の彫刻群に他ならない。通称「ペニス公園」。「世界最大の男根コレクション」を誇る。
ペンス副大統領は足を運ぶ余裕はなかったようだが、オリンピックに参加した選手や応援団の間では話題が沸騰。「オリンピック観戦のクライマックスはここだ」と言われるほどの大評判なのだ。
最大の人気は「巨大なペニス大砲」で、ガイドの説明では「日本を向いている」とのこと。「乗らないで下さい」との看板が掲げてあるのだが、大勢の観光客が記念写真やインスタグラムのために大喜びでまたがったり、抱き着いたりしている。開園は2007年で、昨年は27万人が訪れた。今年はオリンピック効果で大幅に来訪者が増えているようだ。しかも、来訪者の6割以上は女性といわれる。
日本海を見下ろす丘の上には大きな男根を祠に見立て、内側に十二支の動物を納めた石像が立ち並んでいる。これは中国文化の影響か。そのそばには何人もの男性の農民が眼下の大海に向かって放尿する人形がズラリと並ぶ。少し遠くには真っ赤なペニス型の灯台も目に入る。いったいどうして、このような男根のオンパレードを売り物にする公園ができたのであろうか。
実は、韓国の古くからの言い伝えにルーツがある。昔、若い漁師とその許嫁がこの近くの岩場で海藻取りをしていたのだが、漁師がその場を離れた間に許嫁が突然の嵐に襲われ、海に飲み込まれて命を落としたという。それ以来、この付近では不漁が続くようになった。
ところが、あるとき、漁師が海に向かって放尿したところ、そのときに限って不思議と魚が獲れたというのだ。村人たちは亡くなった許嫁の娘が男根を見て喜んだせいに違いないと思い、男根を模した木製の彫像を飾り、娘の魂を鎮める祭祀を執り行うようになった。
今でも年2回、そうした祭祀が執り行われている。要は、豊漁を祈願し、海に戻った娘を喜ばせようというわけだ。韓国各地にこのような男根神話にちなんだ公園があるのだが、半島の東側にあるのは、この海神堂公園だけ。少子化が日本以上に進む韓国であるが、子宝を祈願する参拝者も大勢訪れているようだ。 (国際政治経済学者 浜田和幸)