社会・政治
ドーピングで記録はどこまで伸びるか?トランプ長男が支援する「新スポーツ大会」が物議…“超高額”報奨金に選手が殺到

トランプ大統領の長男、ジュニア氏(写真・共同通信)
世界中で「アンチドーピング」が叫ばれるなか、真逆のスポーツ大会が2026年5月に米・ラスベガスで開催されると報じられた。薬物使用を認めて世界一を決める大会で『エンハンスト・ゲームズ(強化された大会)』という。
種目は競泳、陸上、重量挙げなどが採用されるが、五輪などと違って国別ではなく、あくまで男女別の個人の戦いになる。また、陸上100mと競泳50m自由形で世界記録を抜くタイムを出した選手には100万ドル(約1億4300万円)のボーナスが支払われる予定だ。
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「これまで、樹立された世界記録がドーピング検査によって取り消されることは多々ありました。半面、『もし薬物を使ったら、人間の記録はどこまで伸びるのか』といった興味が持たれていたことも事実なんです。たとえば、陸上男子100m9秒を切るとか。
ただ、薬物の中には危険なものもあり、使い続けることで亡くなった方もいます。だから、人々の間で関心はあっても推す声はなかった。それだけに、こんな大会が開催されることに驚きを隠せません」(スポーツライター)
薬物以外でも競泳では現在、世界水泳連盟で使用が禁止されている全身型水着の着用が認められ、ようするに「なんでもOK」の形に近いという。また、大会開催に向けた資金面ではトランプ大統領の長男であるジュニア氏らが支援を約束していて、すでに1000万ドル(約14億3000万円)を確保しているという。
ただし、『エンハンスト・ゲームズ』が注目されればされるほど、世界反ドーピング機関(WADA)をはじめとする各ドーピング防止機関が反発するのは必至であり、さっそく「危険で無責任なコンセプト」との非難のコメントを発している。
世界陸上連盟のセバスチャン・コー会長は「馬鹿げた話」などと、怒りとともに早くも警告を発している。しかし、なかには違った意見を持つ選手も多くいるのだという。
「各種目の優勝者には25万ドル(約3600万円)が払われ、さらに世界記録を破れば100万ドル(約1億4300万円)のボーナスが与えられる。これは選手にとっては大きな魅力です。また、無名の選手でも薬の力を借りれば記録も飛躍的に伸びるかもしれませんし、引退が近い選手なら一発逆転を狙えるかもしれません。事実、運営側には選手からの問い合わせが多く来ているようです。そのなかにはパリ五輪に出場した選手も含まれているといいます」(同前)
Xでは、選手らを心配する声が多数書き込まれている。
《副作用無視して無茶な服用する奴出そう》
《まさに「レースは走る実験室」だね》
《ドーピングが酷い自転車レースの歴史を見ていると後遺症や死亡事例がいっぱいあるので、こんな馬鹿なことやめてほしい...》
運営側によれば、薬物の使用を認める一方で、競技前からどんな薬物を摂取しているか医師が管理するとしているが、果たして……。