社会・政治
山尾志桜里氏「出馬会見」表明に集まる猛批判“急落”国民民主党支持率回復のカギ握る“ガソリン代&ダブル不倫”騒動の説明責任

国民民主党からの出馬が報じられた山尾志桜里氏
2025年夏の参院議員選挙の比例代表に、国民民主党の公認候補として立候補する山尾志桜里元衆院議員が、6月4日午後に自身のXを更新。《はい、出馬会見をさせてください》などと投稿し、近く記者会見を開くことがわかった。
山尾氏は続けて《決定当初は自然体で会見を設定していたのですが、その後、私の発信や会見が党に与える影響を読むことができず、躊躇していました。個別の取材対応より会見は影響が大きいので控えてほしいという声も届いており、その気持ちも痛いほど分かりました》と、会見を躊躇していたことを明らかにした。
《でも、それ以上に党内外から会見を求める声を頂戴し、それは当初の自分自身の希望でもありましたし、何より有権者に判断材料を提供する民主主義の要請でした》などとつづり、《おって詳細をお伝えします》と、近く記者会見を開くことを約束した。
国民民主党は5月14日、山尾氏を参院選比例代表候補として公認することを発表したが、山尾氏はこれまで個別のメディア取材には応じていたものの、会見を開いておらず、会見を求める声があがっていた。
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政治担当記者が言う。
「山尾氏は衆院議員時代、不倫騒動や“地球5周分のガソリン代”を計上したなどの不祥事を起こしており、あらためてその説明が求められていました。国民民主党の榛葉(しんば)賀津也幹事長は5月30日の会見で『基本、(会見を)やったほうがいいと思う』と述べ、玉木雄一郎代表も6月3日の会見で『候補者は自分が当選しようと思っているのであれば、疑問にしっかり答えていく責務がある。必要であれば会見をすると思うし、すべきであると伝えている』と、山尾氏に会見をおこなうよう促していると話していました」
山尾氏は2009年に衆院選愛知7区から出馬し、初当選。旧民進党政調会長などを歴任し、2020年に国民民主党に合流したが、2021年の衆院選には出馬せず、弁護士として活動していた。
山尾氏をめぐってまず思い起こされるのが、“地球5周分のガソリン代”を計上していた問題だ。
2016年3月、「週刊新潮」は、山尾氏が長を務める民主党愛知県第7区総支部の収支報告書について、2012年に計上したガソリン代が230万円にのぼり、地球5周分に相当するなどと報じた。
この問題について、山尾氏は2016年12月に記者会見し、元公設秘書が2011年〜2012年に165件、計217万円の不正利用を認めたと説明した。
さらに山尾氏には、蒸し返されたくない過去の“ダブル不倫”問題がある。
衆院議員時代の2017年9月、「週刊文春」に弁護士の倉持麟太郎氏との“ダブル不倫”を報じられた。その後、同年11月に倉持夫妻は離婚。2018年2月には山尾氏夫妻の離婚も成立した。
「倉持氏の元妻はその後、2018年3月に『週刊文春』に手記を寄せ、『彼女は夫婦の寝室まで上がり込んで、私のすべてを奪っていった』などと、2人を批判しました。
また、同月に情報番組『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)にもVTR出演し、『私のなかではあの日からずっと地獄の日々』などと語り、山尾氏への謝罪を求めていました。そして2021年4月、『週刊文春』が、倉持氏の元妻が2020年10月に自死していたことを報じ、最悪の結末となってしまったのです」(同前)
そうした事情が広く知れわたっているためか、山尾氏の出馬決定にはすぐさまSNSが反応し、山尾氏と国民民主党に対する批判が強まった。
影響は数字にも如実に表れている。
出馬決定後、共同通信社が5月17日と18日に実施した全国電話世論調査で、国民民主党の政党支持率が前回調査(4月12、13日)の18.4%から5.2ポイント急落し、13.2%となったのだ。
共同通信社の調査では、ほかの主要政党の支持率はほぼ横ばい。また、他紙の調査でも国民民主党の支持率は軒並み下落していただけに、衝撃は大きかった。
今回も、山尾氏が記者会見を開くことを投稿すると、Xには
《不倫相手の奥さんが亡くなったことについて先生一言お願いします!!》
《誰のために出るんですか?国民民主党の支持率が10%くらい下がってますけど、それが国民のためと言えますか?お願いですから裏方に徹して表舞台には出ないようにしてください。》
など、辛らつな意見がポストされている。
玉木代表は、自らの不倫問題による3カ月の役職停止処分が明けた2025年3月4日、夏の参院選では16議席以上を獲得し、非改選を含め、予算をともなう法案を提出できる21議席以上を目指すと目標を掲げていた。
「5月16日から18日に自民党が調査したといわれている参院選の情勢調査によれば、国民民主党は14議席を獲得し、非改選議席5と合わせて19議席になり、目標の21議席には届かないものの、かなり善戦するとみられています。ただし、山尾氏の会見の対応次第では、その数字が大きく変わることになるかもしれません」(前出・政治担当記者)
重い腰を上げて臨む記者会見で、一か八かの勝負に出る山尾氏。はたして有権者の不満を払いのけ、党の支持率を再浮上させることができるのだろうか。