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山尾志桜里氏「公認見送り」の裏で玉木代表から発せられた “予兆” のひと言…事務所「即撤去」から透ける怒り

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記事投稿日:2025.06.12 19:40 最終更新日:2025.06.12 19:40
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
山尾志桜里氏「公認見送り」の裏で玉木代表から発せられた “予兆” のひと言…事務所「即撤去」から透ける怒り

国民民主党・玉木雄一郎代表のポスターをバックに出馬会見に臨んだ山尾志桜里氏だったが…(写真・長谷川 新)

 

 国民民主党からの参院選比例代表の公認見送りを受けて、山尾志桜里氏は、6月12日、ここに至るまでの経緯を文書で公表した。

 

 山尾氏は、10日の記者会見について、《代表・幹事の同席を希望しましたが、辞退会見であれば同席するとのお答えは残念でした》と、同党代表・玉木雄一郎氏らが山尾氏の立候補を取りやめたい意向が会見前にすでにあったことを示唆した。

 

 じつは、予兆はあったという。大手紙の政治部記者が明かす。

 

 

「玉木さんは、先週あたりから、山尾さんについて語るとき、『公認内定の』とつけるようになっていました。毎回ではないものの、それまで『公認予定者』という言い方だったのに、『内定』という言葉が差し込まれたので、けっこう耳に残っています。

 

 山尾さんは、今月に入って、ご実家のある三鷹市の隣、武蔵野市吉祥寺に事務所も構え、ポスターも印刷済みでした。会見のあった10日は、事務所の扉にポスターが貼られ、事務所内にはたくさんの祝い花も届いていました。

 

 それが、公認見送りが報じられた12日朝には完全に撤去されていました。山尾さんの失望と怒りが垣間見えます」

 

 山尾氏による釈明会見の直後から、党本部には各都道府県支部から公認をしないよう、悲鳴に近い要望が寄せられていたという。

 

 山尾氏も会見で、「世論の批判は想定を超えていた」と語っていたが、それでも「山尾さんがどこまでそれを認識し、感じていたかは疑問」と国民民主党の元議員が明かす。

 

「山尾さんは4日、Xで当選同期議員が集まった会合について投稿しています。山尾さんは、《私の再挑戦の件も、同期の仲間という一点で、本当にあたたかい励ましをもらいました》と綴っていますが、この日は別に山尾さんの激励会を開いたわけではありません。

 

 むしろ、こうした会合にほとんど出てこない山尾さんに、驚いた出席者がほとんどだったと思います。このタイミングですから、そりゃ『頑張って』くらいは社交辞令で言いますよ」

 

 当選同期からも冷ややかな視線を送られていた山尾氏。一方、山尾氏と同じか、それ以上に批判にさらされたのは、国民民主党の玉木代表だった。

 

「山尾氏が世間からの不興を買っている政治資金問題も不倫問題も、公認内定後に新たに発覚した問題ではありません。すべてを承知のうえで擁立に走った玉木代表の責任問題は、避けられるはずもないでしょう。

 

 玉木代表は今後、『あくまで山尾氏は内定者であったから、見送りや取り消しはもとよりありえた』という抗弁をする可能性もありますが……」(政治記者)

 

 しかし、「ブラック企業」の名づけ親として知られる人事コンサルタントの新田龍氏は、「一般企業の採用と公党の公認問題はまったく違う問題」と前提したうえで、玉木代表にこう注文をつける。

 

「採用における内定は、一つの労働契約の成立を意味します。これを破棄するなら相応の理由が必要で、たとえば内定者側に経歴・学歴の詐称や、健康情報の意図的な隠匿があった場合です。

 

 また、採用側も社会通念上、『業績の相当な悪化などで現在の雇用を維持するのが困難』などが認められない限り、内定の破棄はできません。いずれにせよ、当事者(内定が取り消された者)の弁明機会は必要です。

 

 今回は、ほとんど国民民主党の機関決定だけで公認を見送ったようですが、これを一般企業の例に当てはめると、『選挙で苦戦しそう(業績が悪化しそう)』だから、『本人に一方的に通知する(突然の取り消し通知)』など、労働契約なら違法と認定される可能性が高い行為です。

 

 そもそも一般の求職者にとって “内定” という言葉の持つ意味は、人生を左右されるくらいに重い言葉です。軽々しくできるかのように使うのは、政治家として無責任だと思います」

 

 山尾氏、そして玉木代表の誤算の代償は大きそうだ。

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