社会・政治
小池百合子氏が狙う“女性総理”への最短ルート、元朝日新聞政治部デスクが語る「国民民主と合体」構想

2024年5月29日の所信表明演説では出馬に言及しなかった小池知事(写真・長谷川 新)
先の都議選で第1党に復帰した、都民ファーストの会。都議会での復権をなしえた今、かねてから囁かれている同党特別顧問・小池百合子氏の“国会復帰論”が現実味を帯び始めた。かつては「初の女性総理大臣最有力」とも言われた彼女だが、どのようなシナリオがありうるのだろうか――。
元朝日新聞政治部デスクの鮫島浩氏は、このように見ていた。
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「小池さんは今回の参院選に出馬していませんし、したとしても参院議員では総理への道が遠いので、これが一つ大きなハードルであるのは間違いないのですが……。とはいえ、永田町で『小池総理待望論』が消えていないのは事実です。これは、現在の政治状況が理由で、なんといっても30年ぶりの少数与党で自民が苦しんでいることが挙げられます。
石破茂内閣は奇跡的に8カ月もっていますが、少数与党というのは長くは続かないので、参院選が終わったら、その結果がどうなろうが衆議院のこの状況をなるだけ早く打開したいはずです。となると、連立の枠組みを拡大するしかない。自民が組む相手としては、立憲民主党との大連立か、国民民主党との『減税』での連立でしょう」
先の衆院選で躍進した国民民主党だが、現在おこなわれている参院選では、山尾志桜里氏の公認とその取り消し騒動などで、一時は“次の総理候補”とまで言われた玉木雄一郎代表は「コケた」とも評されている。
「そこで出てくるのが小池さんです。小池さんは、この参院選で自公と組むことを示唆していますし、どこかで『自公と組む』イメージは持っていると思うんです。ただ、そのためには都民ファでは国政は弱い。今回も、国政進出を目指して設立した『ファーストの会』からの候補者を擁立していません。では、どのようにして国政に打って出るか。そこで彼女が目をつけているのが、国民民主党でしょう。
国民民主党と小池さんの主張は、重なる部分も多い。しかも、もしこの参院選で国民民主党が伸び悩んで埋没することになれば、代表の玉木さんが辞任する可能性もあります。そうなれば、小池さんはそこを狙って国民民主党に合流する可能性はありうると思いますね。つまり、国民民主党を“乗っ取る”ような形です。
小池さんが国民民主党に合流し、小池さんを代表に据える。そのうえで、参院選後、国政で自公と国民民主が組む。これが、『小池総理』の最短ルートでしょう。もちろん、簡単なルートではありませんが、小池さんは結構真剣にこの方策を探っているとおもいますよ」
小池氏はいま、参院選をどう見ているのだろうか――。