社会・政治
石破首相 “現金給付” に自民内部から「失敗だった」怨嗟の声…“バラマキ” 見透かされ支持者の流出止まらず

石破首相(写真:JMPA)
参院選(7月20日投開票)まで残り1週間を切ったなかで、与党自民党と公明党の苦戦が伝えられている。
共同通信は7月15日、「自民、公明両党は苦戦が目立ち、非改選を含む過半数(125議席)維持が微妙だ」などと報じた。
政治担当記者が言う。
「参院議員の定数は248で、今回の参院選では改選124議席。これに東京選挙区の欠員1人を補充する補欠選挙もおこなわれるため、計125議席が争われます。
今回、選挙のない非改選議席数は、自民党と公明党あわせて75あるため、自公の両党で50議席を獲得すれば、目標の過半数に達するわけですが、微妙な情勢です。
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石破茂首相は自公で50議席の獲得を目標として掲げていますから、それを達成できなければ、責任問題に発展しそうです」
こうした与党苦戦の情勢に、自民党のベテラン秘書は「物価高対策が最大の焦点となっているなかで、自公が打ち出した2万円の現金給付策が失敗だった」と肩を落とし、こう続ける。
「森山裕幹事長は『これくらいやっておけばいいだろ』くらいの感覚だったのでしょう。2万円の価値がどれだけ安いか、理解していないと思いますよ。自民党支持者の年金生活者に聞くと『たった2万円の金でコメを何回、買えるんだ』と怒っていました。
さらに言えば、2万円の現金給付が “選挙対策” だと国民から見透かされてしまったことも痛い。今年4月に見送った現金給付を参院選前に復活させたわけですから、『選挙前のバラマキ』にしか見えませんでした。国民を舐めていたと思わざるをえません」
あらためて、公示前の新聞各社の世論調査をみても、自公の「2万円の現金給付」政策について、
【朝日】評価する28%、評価しない67%(6/14、15)
【読売】評価する28%、評価しない66%(6/27~29)
【毎日】評価する17%、評価しない66%(6/28、29)
と、3分の2の有権者が評価しないという結果が出ていた。
「自民党が7月4~6日に実施した情勢調査では、自民党41、公明党12の計53議席と読んでいましたが、日を追うごとに非自民の候補者が支持を伸ばしている状況です。
たとえば、7月11~13日に実施した自民党の情勢調査では、32選挙区ある1人区では、13勝19敗と推測しています。
しかし、佐賀県選挙区と熊本県選挙区ではともに自民党現職候補と立憲民主党新人候補の争いとなっており、どちらも1週間の間に立憲候補からリードを縮められ11~13日の調査では、ほぼ互角となっています。
ここが逆転されると1人区は11勝21敗となってしまい、自民党にとっては悲惨な結果となる可能性がでてきました」(前出の記者)
自民党の支持層がどんどん離れていく状況に、前出の自民党秘書がこう話す。
「参政党にわが党の票がどんどん食われている状況だと思います。自民党の調査でもおそらくここまでは予測できなかったのでしょうが、自公で53議席なんて甘すぎると思います。日を追うごとに状況は悪化しています。自公で40議席半ばくらいを覚悟しなければならなくなってきたと考えています」
選挙戦最後の5日間で、自公はこの劣勢をどう立て直すのだろうか。