社会・政治
「きわめて異様」自民・森山幹事長、世耕弘成氏への批判に相次ぐツッコミ…鶴保氏の失言響く選挙戦に「負け犬の遠吠え」の声

自民党の森山裕幹事長
7月15日、自民党の森山裕幹事長が、参院選・和歌山選挙区の党公認候補である二階伸康氏の応援のために訪れた和歌山県みなべ町で、講演をおこなった。その発言内容に波紋が広がっている。
森山氏は、世耕弘成前自民党参院幹事長について「優秀で能力のある方だが、よく理解できない。きわめて異様な選挙だ」と述べ、批判したという。15日、共同通信が報じた。世耕氏は、無所属で出馬した前和歌山県有田市長の望月良男氏を支援している。
【関連記事:石破首相 “現金給付” に自民内部から「失敗だった」怨嗟の声…“バラマキ” 見透かされ支持者の流出止まらず】
政治担当記者が言う。
「伸康氏は二階俊博自民党元幹事長の三男で、2024年10月の衆院選に和歌山2区から父の後継で自民党公認候補として出馬しました。しかし、昨年4月に安倍派の裏金問題で離党勧告処分を受けて自民党を離党した世耕氏が、無所属で鞍替え出馬し、勝ちました。
ですから、今回は二階家vs.世耕氏の第2ラウンドというわけです。
今年2月の自民党和歌山県連の会議では、党本部への推薦枠をめぐり、伸康氏と望月氏が争いましたが、伸康氏が選ばれました。望月氏はその後、県連に離党届を出し、無所属での立候補を決めたのです。
もちろん、世耕氏の後押しがあってのことで、保守分裂という事態になってしまいました。森山氏は、自民党候補と対立する候補を支援する世耕氏の行為を “裏切り” と捉えているのだと思います」
選挙の公示前の段階では、伸康氏優勢という情勢が伝えられていた。しかし、情勢はかなり変化したようだ。
自民党関係者が言う。
「公示前は、日本維新の会候補との争いとみられていました。ところが、選挙戦が始まると望月氏に追い上げられ、終盤を迎えた現在は、伸康氏がリードされていると党本部はみています。党の情勢調査でも、伸康氏はやや劣勢という予測です。
伸康氏の選対幹部として『運のいいことに能登で地震が』と発言した鶴保庸介参院議員の失言もかなり影響していると思います」
7月8日、伸康氏を応援する集会で登壇した鶴保氏は、能登半島地震の被災者が居住する自治体以外でも住民票の写しが取れるようになったことについて、「運のいいことに能登で地震があったでしょ。緊急避難的ですけども、金沢にいても輪島の住民票が取れるようになっていった」などと話し、党内外から猛批判を浴びた。
自民党ベテラン秘書は鶴保氏の失言について、こう話していた。
「『ふざけるな。なんてことをしてくれたんだ』と、党の人間は全員思っています。何十年、国会議員やってんだ、という話ですよ。『これで参院選は終わった』とは言いませんが、それくらい党にとってはかなりマイナスになる失言だったと思います」
森山氏の世耕氏批判が報じられると、Xでは
《負け犬の遠吠えにしか聞こえんな》
《無所属の世耕さんが誰を応援しようと自由 彼を追い出した森山が批判するのは筋違い》
などと森山氏に対する批判の声があがっている。
和歌山県の有権者は、はたしてどう判断を下すだろうか。