社会・政治
六代目山口組司忍組長、若頭補佐の葬儀に参列へ…和歌山の斎場は警察官30人の厳戒態勢

六代目山口組司忍組長(写真・馬詰雅浩)
7月12日、和歌山県内の葬儀場で、六代目山口組のある大物幹部の通夜が執りおこなわれた。ヤクザ界に詳しいジャーナリストは次のように話す。
「亡くなったのは、津田力若頭補佐です。肝臓を悪くしていたようでした。津田若頭補佐は2025年4月、六代目山口組の執行部3人が兵庫県警本部を訪れ『誓約書』を渡したときの1人。そのときもかなりやせていて、心配されました。まだ66歳で、執行部のなかでも若いほうだったので、ヤクザ界でも驚きをもって受け止められています」
この日、葬儀場周辺には、和歌山県警や愛知県警の捜査員ら30人あまりが集結し、警戒に当たっていた。前出のジャーナリストは「和歌山でこれほどのヤクザの葬儀をおこなったのは異例のことだった」と話す。
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通夜は、4月に六代目山口組ナンバー2に就任した竹内照明若頭が「執行委員長」のリボンをつけ、仕切っていた。現場を取材した別のジャーナリストはこう話す。
「竹内若頭は、若頭に就任して3カ月足らずで、通夜、葬儀を仕切る立場になりました。そのため、式が滞りなくおこなわれるために忙しくしていました。通夜には六代目山口組と親戚・友好関係にある、9団体のトップも参列しており、竹内若頭と兄弟分の関係にある稲川会の内堀和也会長も参列しました。竹内若頭は、焼香を済ませた各団体のトップが待つことなく帰路に就けるよう、車の手配を組員にさせなければいけませんが、もたもたしていた組員に対し、発破をかけていました。これから六代目山口組執行部を率いていかなければいけないので、その意気込みがあらわれていたのでしょう。
この日、司忍組長は、他団体トップが参列する前に斎場に現れました。現在83歳ですが、年齢を感じさせず、元気な様子でした。斎場には2時間あまりと長時間、滞在していました」
一方で、この日の通夜と翌日の葬儀に、若頭だった髙山清司相談役は姿を見せていなかったようだ。都内在住の暴力団関係者はこう推測する。
「津田若頭補佐は、髙山相談役が若頭の時代に尽力した人だったから、髙山相談役は通夜、葬儀に参列したかったのではないか。しかし自分が参列すると、竹内若頭の影が薄くなってしまうことを危惧したのかもしれない。もしかしたら、あまり人がいないときに、焼香に訪れたのでは。一部には、体調を悪くして来られなかったという話もあるが、いずれにしても、世代交代を印象づけることになった」
分裂した神戸山口組や絆會などとの抗争終結宣言を出した六代目山口組。変革の時期を迎えているのかもしれない。