社会・政治
「ジャズと向き合ってきた人の言葉とは思いたくない」大物音楽プロデューサー 参政党・さや氏の“核武装発言”を痛烈批判

練馬駅前で演説する、さや氏
「あの北朝鮮ですらも核兵器を保有すると、国際社会のなかでトランプ大統領と話ができるくらいまでにはいく。交渉ができる核武装がもっとも安上がりであり、もっとも安全を強化する策のひとつ」
7月20日に投開票が行われた参院選の東京選挙区で2位当選を果たした参政党・さや氏は、公示日3日に出演した番組でこう言い放った。
この発言の余波は大きく、開票速報の特番で元日本テレビの藤井貴彦アナウンサーが同党の神谷宗幣代表に対し「こういう表現は使ってほしくなかった」と訴えると、このシーンはSNSで大拡散した。さらに、音楽界からも苦言が呈され、今、その発信者が注目を浴びている。平井堅やCHEMISTRYなど、名だたるアーティストの楽曲を手掛けてきたことで知られる音楽プロデューサーの松尾潔氏だ。松尾氏は22日までにXで、《それこそお安い発言でしょう》とツッコんだのだ。
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「松尾さんは、《吉良よし子さんの当選は、今回の参院選で数少ない明るいニュースでした。一筋の光と言ってもいい。》と切り出すと、まずは共産党・吉良よし子氏の東京選挙区での当選を祝福。2021年春の衆院予算委員会で、吉良氏がコロナ禍で苦境にあえぐライブハウスの支援拡充を訴えてくれたことに感謝を述べると、吉良氏が大学時代に合唱団だったことや、吉良氏の弟である吉良創太さんがジャズドラマーであることを紹介しました。そのうえで、
《……ここまで書いて、今回吉良さんと同じ東京選挙区を争って当選した参政党のさやさんも「ジャズシンガー」であることに気づきました。正直なところ、彼女の歌の評判はまったく知りませんでしたが。》
と、ジャズシンガーとして活動してきた参政党のさや氏に言及。
《ジャズは本来なら平和や自由とつながりの深い音楽だと思うんです。差別や戦争と闘ってきた歴史もあり、抑圧に抗う魂が込められています。だからこそ「ジャズシンガー」を名乗るさやさんが「核武装が最も安上がり」とか「徴兵制には教育的な価値がある」なんて語ったと知ると、本当にがっかりします。それこそお安い発言でしょう。》
と、さや氏の発言を批判しました。さらに、《ジャズと向き合ってきた人の言葉とは思いたくないし、平和を願う多くのジャズファンの気持ちともズレてるのではないかなぁ。》と、さや氏のこれまでの発言への違和感を露わにしました」(スポーツ紙記者)
松尾氏の私見に、X上では、
《その通りだと思います、残念でならない》
《コロナ禍で最初からエンタメ界の窮状を国会や新聞で取り上げてたのが共産党だからな》
と共感を寄せる声もある一方で、
《ジャズメンだからといってイコール反骨漢とは限らない。食いっぱぐれた半端なヤツほど金持ちに媚びた真似をするもんさ》
《何をいうてんだこいつ。共産党はジャズを退廃音楽にしてた時代もあったよな》
など、賛否が寄せられている。
「東京選挙区で2位当選を決めた後の会見でさや氏は、『核の発言については、政策ベースで私、お話ししているわけではないです』と答えていました。党勢の拡大に従って、参政党はこれまでの“過激な主張”を抑える方向に転換していますが、決して取り消せるものではないでしょう。政策ではないとしても、内心では“核武装”に前向きであるという点を、有権者がどうとらえるのか。当選後も今後の発言について厳しい目で見られるのはまちがいないですね」
唯一の被爆国である日本。国民の多くはさや氏の発言に共鳴することはないだろう……。