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石破首相、支持率急上昇で高まる「続投」の可能性…党内政局に国民は冷め、“おろし” も勢いなし

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記事投稿日:2025.08.19 20:01 最終更新日:2025.08.19 20:01
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
石破首相、支持率急上昇で高まる「続投」の可能性…党内政局に国民は冷め、“おろし” も勢いなし

APECに出席した石破茂首相(写真・JMPA)

 

 8月19日、自民党逢沢一郎衆院議員が委員長を務める「総裁選挙管理委員会」の初会合を開いた。同党は8月8日に開催した両院議員総会で、総裁選を前倒しするかどうか検討することを決め、逢沢委員長に一任することになった。

 

 政治部記者が言う。

 

「総裁選管理委では、自民党の党則6条4項に則って総裁選をするかどうかを判断することが両院議員総会で確認されています。これは、党所属国会議員295人と各都道府県連の代表47人をあわせた342人のうち、過半数の172人以上が賛成すれば、石破茂総裁の任期(2027年9月)よりも前に総裁選を実施することになります。

 

 しかし、ここにきて報道各社の世論調査で石破内閣の支持率が上昇していて、さらに石破首相の続投に賛成する声が反対する声を上回っているため、石破退陣ではなく、続投の可能性も出てきました。つまり、総裁選の前倒しはやらないことになるのではないかという見方が出ているのです」

 

 

 時事通信が8月8日〜11日に実施した世論調査では、石破内閣の支持率は前月よりも6.5ポイント上昇し、27.3%となり、不支持率は5.4ポイント減り、49.6%となった。また、石破首相は辞任すべきだと「思わない」が39.9%で、「思う」の36.9%を上回った。

 

 さらに、注目されたのが、自民支持層の回答だ。「思わない」は65.9%だったのに対し、「思う」は24.6%となり、自民支持層の多くは石破首相の続投を望んでいることが示された。

 

 NHKの世論調査(8月9日〜11日)でも似たような結果が出た。内閣支持率は7ポイント上昇し、38%、支持しないは8ポイント減り45%となった。石破首相続投に賛成は49%、反対は40%となり、自民支持層では、賛成が69%と反対の23%を大きく上回った。

 

 そして、朝日新聞社が8月16日・17日に実施した世論調査では、内閣支持率は7ポイント上昇の36%で、不支持率は6ポイント減の50%。石破首相は「辞めるべき」が36%に対し、「その必要はない」が54%となり、自民支持層に限れば「辞めるべき」が20%なのに対し、「その必要はない」が76%と、石破続投の声が圧倒的な状況なのだ。

 

 前出の記者が言う。

 

「石破首相はもとから辞める気はゼロです。最近の世論調査の結果も石破首相に味方しています。参院選直後は、自民党内では大敗の責任を石破首相のせいにする声が大きかったのですが、徐々にトーンダウンしているような印象を受けます。

 

 8月と9月は外交日程も多く入っています。20日から22日までは日本政府が主導するアフリカ開発会議が横浜で開催されます。29日から31日まではインドのモディ首相が来日。9月9日に米・ニューヨークで国連総会が開会し、同月23日から29日まで国連総会にて一般演説があるのですが、石破首相は国連出席に意欲満々の様子です。

 

 とはいえ、総裁選が実施されるかどうかは今のところ不透明な状況です」

 

 この記者によれば、仮に “石破おろし” の風が弱まらず総裁選を実施することになった場合、9月中旬に告示され、9月末投開票で新総裁が誕生する。その後、10月に本会議が開催され、総理大臣指名選挙で新首相が決まり、新内閣を組閣するという日程になりそうだ。

 

 自民党のベテラン秘書が言う。

 

「確かに『石破退陣』から『石破続投』へと流れが変わりつつあるように感じます。旧安倍派や麻生派の先生方が石破さんを辞めさせようとしてはいますが、イマイチ本気度と言いますか、勢いが感じられません。

 

 当初は8月末か9月の頭くらいで石破さんは退陣に追い込まれるだろうという見方が強かったのですが、自民党内の政局について国民は冷めた目で見ているようで、今は石破退陣を求めることのほうが、白い目で見られている感覚さえ覚えます」

 

 別の自民党関係者はこう言う。

 

「そもそも党内政局では、執行部を握っているほうが、圧倒的に強いのです。現在、参院選の敗因を分析する『総括委員会』が8月下旬の発表に向けて報告書を作成中ですが、委員長が森山裕幹事長ということもあり、報告書では結局のところ、『石破総裁一人の責任ではない。党の体質が国民の理解を得られなかった』といった内容になるのではないかとの憶測も出ています」

 

 19日午後、総裁選管理委の初会合後、記者団のぶら下がりに応じた逢沢委員長は「スピード感が必要」と強調した。来週早々にも次回の管理委を開き、臨時総裁選に関して議員や都道府県連代表の意思確認の方法を詰める予定だと話した。

 

 はたして、石破政権にNOが突き付けられるのかーー。

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