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政権の分水嶺「総裁選前倒し」結論まで待ったなし 識者が読む“石破おろし”成否の可能性

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記事投稿日:2025.08.30 16:15 最終更新日:2025.08.30 16:15
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
政権の分水嶺「総裁選前倒し」結論まで待ったなし 識者が読む“石破おろし”成否の可能性

石破茂首相(写真・JMPA)

 

 参院選の大敗によって、吹き荒れた“石破おろし”の風。石破茂首相を、自民党総裁の座からおろそうとするその勢いは、世論的には収束しているように見える。一方の自民党内では、総裁選前倒しの議論が活発化しているようだ。

 

 自民党は9月2日の両院議員総会で、参院選大敗の要因を分析、検証した報告書を発表する。そして9月8日には、総裁選を前倒しで実施するかどうかの、投票の集計結果が発表されることになる。

 

 

 総裁の任期途中でも、所属国会議員と都道府県連代表各1名の合計で、半数を超える「臨時総裁選の要求」があれば、総裁選は実施できると自民党の党則に定められている。現在、自民党所属の衆参議員は295人。そこに47都道府県の代表を足すと342人となるため、過半数は172人で、この数に要求が達すれば、総裁選は前倒しとなるのだ。

 

 元朝日新聞政治部デスクの鮫島浩氏が語る。

 

「事実上の“石破首相リコール”の意味を持つのが、総裁選前倒し。個人的には、前倒し賛成が過半数をとる可能性は大いにあると思っています。

 

 一方、続投を望む石破首相としては、当然、この前倒しを阻止したいところです。そのために、前倒しの意思確認で賛成票を抑えるため、記名式にして、しかも賛成派に投じた議員の氏名は公表するとしています。

 

 もうひとつ、前倒し賛成派の議員を躊躇させる策としてあるのが、解散です。総裁選前倒しが決まれば、その総裁選の前に解散するぞ、という姿勢を石破首相が見せるんです。そうなれば、いまの自民党ではまた大敗を喫する可能性が高いわけで、『それだけは勘弁してほしい』と思う議員が、反対派に転じる可能性はあると思います。

 

 石破首相は8月24日に小泉純一郎氏と会談していますが、おそらく純一郎氏も『解散風を吹かせろ』という風にアドバイスしたと思いますよ。もし今回、本当に解散となれば、純一郎氏が起こした『郵政選挙』に近しいものになると思います」

 

 2005年夏、当時、首相だった純一郎氏は、郵政民営化法案の否決を受けて衆院を解散。反対派議員を「抵抗勢力」とした純一郎氏は、対抗馬を次々と送り込み、選挙は「小泉劇場」とも呼ばれた。結果、純一郎氏は国民の圧倒的支持を得て反対派を一掃した。

 

 鮫島氏は、石破おろしに躍起になる自民党議員らが「民意を得ていない」と国民から判断され、解散総選挙で一掃されるのではないかと見ている。石破おろし派のなかでこれを恐れる議員らが、総裁選前倒しに反対に回る可能性があるという。

 

「総裁選前倒しが決まれば、“石破リコール”が多数派ということですから、石破首相に次の総裁選の勝ち目はありません。一方、もし前倒しを阻止できれば、続投となる算段が高い。

 

 とはいえ、石破首相の側近とされる森山裕幹事長は、さすがに辞任せざるを得ないでしょう。森山氏はかねてから、参院選の責任をとって辞任する意向を示してきましたからね。しかし石破首相としては、もし続投ということになれば、野党との太いパイプを持つ森山氏の力をまだまだ借りたいところ。

 

 ここで注目されるのが、小泉進次郎農林水産相です。この間、彼は石破首相の続投を支持しています。総裁選が前倒しされず、石破首相が続投するとなった際には、森山幹事長が辞めて幹事長に進次郎氏が入ると見られているんです。森山氏は幹事長代理くらいになって“影の幹事長”として党内で院政を敷き、石破政権に尽力を続けると思われます。純一郎氏と石破首相が会談したときも『息子をよろしく頼むよ』くらいのことは言われたのではないですかね。

 

 この『総裁選前倒しで退任か、前倒しせずに続投か』という局面をうまく乗り切ったら、任期の2年は総裁として首相の椅子に座れる。任期が終われば、自分を支持した進次郎氏に禅譲するでしょう。こうした絵が、石破・森山・進次郎3氏の間ですでにできていると思いますよ」

 

 一方、総裁選が前倒しになれば、石破首相が総裁選で負けることはほぼ固い、というのが大方の見方だ。

 

「そうなれば、石破首相と森山氏が、進次郎氏を担いで総裁選に出ることになるでしょうね。石破おろしの急先鋒とされる麻生太郎最高顧問が担ぐと見られているのが、岸田文雄前首相。候補としては、高市早苗前経済安全保障担当相か小林鷹之元経済安全保障相、茂木敏充前幹事長らがいますが、どれも党内での評価は高くありません。もし『進次郎vs.岸田』となった場合、進次郎氏は『まだ早い』と判断されて、勝ち目がありません。“岸田再登板”も可能性としては高いと思います」(鮫島氏)

 

 実際、岸田前首相は第二次政権を築く気まんまんだ、との声も永田町からは聞こえてくる。石破政権はいま、分水嶺に立たされているのだ――。

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