社会・政治
六代目山口組 見えてきた本部機能「名古屋に移転」の可能性…背景は“大会議室”がある一家代表の度重なる逮捕

黒と白のニットを着ているのが六代目山口組司忍組長。毎年の恒例行事だけに、組長の気合の入れようも尋常ではない様子だ(写真・ともゆき)
4月の定例会で、2015年から続いていた神戸山口組との分裂抗争の終結を一方的に宣言した、指定暴力団六代目山口組。その「実質的な本部機能」が、愛知県内の二次団体施設に置かれる可能性が高いという。大手紙の社会部記者がこう語る。
「取り沙汰されているのは、定例会のあった愛知県豊橋市の平井一家本部です。平井一家は、幕末にルーツを持つ老舗の組織。薄葉政嘉総裁は2009年に六代目山口組の直参に昇格し、2019年には若頭補佐として執行部入りしています。しかし2022年、コロナ給付金詐欺事件への関与で逮捕され、2023年には地元露天商らからみかじめ料の返還請求訴訟も起こされています。返還訴訟においては、訴訟を止めさせる目的で恐喝した疑いで逮捕されています。また同年、知人の女性とテーマパークで遊覧した後、ヤクザであることを隠してホテルに宿泊したとして、詐欺容疑で逮捕されました。警察の狙い撃ち的な取り締まりを受けているようにも感じられます」
相次ぐ不祥事に、薄葉総裁は幹部に降格。兼任していた東海ブロック長も解任された。
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「的屋をシノギの主軸に据えている団体であることから、コロナ禍での緊急事態宣言で、縁日やイベントが中止になったことによる経済的な影響をもろに被り、金銭的に行き詰っていたようです。幹部や組員はすでに他の団体に移籍しています。
そうなると空いてしまうのが、大きな会議室がある平井一家本部。ここが、埼玉にある住吉会の住吉会館のように、六代目山口組の“基幹施設”になるのではないかと見られているのです」(前出・社会部記者)
実際、先の終結宣言が出された定例会や、2024年末の餅つき大会、さらに8月にあった司組長と住吉会の小川修司会長との会合など、重要行事が続けて平井一家本部で行われているのである。
「豊橋市が特定抗争指定暴力団の警戒区域に入っていないことが、昨今、平井一家本部が組の行事に使われる理由です」とは、暴力団事情に詳しい萩原ミカエル氏だ。
「愛知県は、六代目の司忍組長、竹内照明若頭、そして20年の長きにわたり若頭を務めた髙山清司相談役の出身団体である弘道会の本拠地です。こうしたこともあって、もともと本部を名古屋に移すという噂はあり、これが2015年の分裂騒動の引き金の一つでした。
警察の見解によると、“特定抗争指定暴力団”に指定されている間は、暴力団同士が新幹線の車両で5人以上乗り合わせただけでも、逮捕可能な状態になります。組の定例会でさえ、おちおち電車も使えないわけです。車両で移動するとなると、今度は暴力団排除条項でETCが使えない。今、暴力団は移動がとことん難しい状況なんです。
竹内若頭体制に代わり、“七代目組長”も弘道会から選ばれる可能性が高い。さすがに本部移転までは断念したと思われますが、平井一家の実質的な消滅に乗じて、本部機能を愛知県内に移す可能性は高いと思いますね」
六代目山口組に、更なる変化の時が近いのかもしれない。