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【学歴詐称騒動】伊東市・田久保市長、不信任案決議で迫られる「市議会解散」「失職」の選択肢…地元で盛り上がる“市政監視”の機運

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記事投稿日:2025.09.06 10:40 最終更新日:2025.09.06 13:12
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
【学歴詐称騒動】伊東市・田久保市長、不信任案決議で迫られる「市議会解散」「失職」の選択肢…地元で盛り上がる“市政監視”の機運

静岡県伊東市の田久保真紀市長(写真・共同通信)

 

 5月29日の就任以来、9月5日で100日を迎えた静岡県伊東市の田久保真紀市長。だが、就任1週間後に各市議に怪文書が届いて以来、学歴詐称疑惑が生じている。

 

「もともと、東洋大学卒業後に東京で就職し、伊東市議を2期半ばまで務め市長になったはずでした。ですが、同大学を卒業しておらず、除籍になっていたことが分かり、事態は急変。伊東市では百条委員会が設置され、田久保氏がかつて議長らに提示した大学の卒業証書の真偽など、学歴詐称についての調査がおこなわれました」(社会部記者)

 

 9月2日には不信任決議案が全会一致で可決され、さらに地方自治法違反で刑事告発もされた。

 

 

 就任以来、ほとんどまともに市長としての仕事ができていないのでは、とみる向きもあるが、伊東市の重岡秀子市議はこれを否定する。

 

「報道では市政が全部、止まっているなどといわれますが、それはちょっと違うと思います。市長は毎日、たくさんの決裁をしていて、道路や下水道工事の入札も進め、新たな公共施設の修繕などの要望も受け入れています。そして、クレーム対応をする秘書課などは仕事ができない状況はありますが、ほかの部署はほぼ通常の事業をしています。

 

 補正予算が組めないことについても市長は要望しましたが、担当課は『やろうと思えばできるが、議会冒頭に不信任決議案が通る見込みとなったため、審議の状況によって追加で出すことにした』と言っており、すべて市長の責任とはいえないのではないでしょうか。

 

 しかし、このまま、学歴疑惑で説明責任を果たせていない田久保市長が続けていっても正常化はできず、副市長や教育長不在を続けることはできないと思い、不信任案については、賛成をしました」

 

 地元の伊豆新聞によると、田久保市長の大学除籍が判明した7月2日以降、市役所に届いたクレームは9000件近くに上ったという。クレームは、市内の住民だけではなく、県外からのものもあるようだが、地元からすると、「田久保市長問題はもううんざり」といった様子だ。

 

「伊東市民の多くは、田久保市長の一連の騒動を受け、市民が市政をちゃんと見なければならないと思うようになっています。市議に対しても、ちゃんと仕事をしているのか見分けたいと思っているようで、それが変わってきたことです。伊東市をどんな町にしたいのか考え出していて、これはいいチャンスになっています。災い転じて福にしたい。皮肉ですが、これほど伊東市が注目を集めることはなかったですからね」(伊東市住民)

 

 その一方で“反撃の狼煙”をあげる動きもあるようだ。

 

「一部の“田久保支援者”からは『学歴くらい、嘘ついたっていいじゃないか』という声もあります。なぜかというと、市民の多くは、前の市長時代には戻りたくないと思っているからです。6日に田久保市長の支援者だった人たちが、何らかの集会を予定しているようです」(別の伊東市住民)

 

 田久保市長は、11日までに議会を解散するか、失職するかを判断しなければならないが、議会解散の公算が大きいとみられている。しかし、かりに市議会を解散しても、市議選後に再度、不信任が決議されれば、田久保市長は失職することになる。

 

 はたしてこの判断は、田久保市長にとってプラスになるのだろうか。選挙ウオッチャーのちだい氏は「辞任したほうが田久保市長にとってプラスになる」という前提のもと、パワハラ騒動で話題となった兵庫県の斎藤元彦知事のケースと比較した。

 

「斎藤知事は、不信任が可決されても議会を解散せず、辞職、出直し選挙に打って出ました。それが逆によかった。自ら悪かったと思えば、一度は辞職するほうが印象はいいでしょう。

 

 一方、田久保市長の議会解散という選択肢は、自ら悪くないと言っているようなものなので、反省していないということになります。そのうえ、田久保市長はマスコミと敵対しているような印象がついています。マスコミを使ってアピールしなければ、誰も田久保市長の意向を知ることができません。いずれにせよ、いままで田久保市長を支援してきた人が愛想をつかしているなら、斎藤知事のように再選することは難しいでしょう」

 

 厳しい決断を迫られている田久保市長。伊東市民の選択は、果たして――。

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