社会・政治
新浪剛史氏の“強権”伝説…ローソン時代の異名は「ミスター荒波」口癖は「俺は給料を100億円もらってもいい」

新浪剛史氏(写真・共同通信)
「ミスター荒波」
麻薬取締法違反容疑で家宅捜索を受け、9月2日にサントリーHD会長を辞任した新浪剛史氏。かつて社長・会長を歴任したコンビニエンス大手のローソンで、彼はそう呼ばれ、恐れられていたという。ローソンの元関係者が、その人柄を振り返る。
「もとより厳しいイメージではありましたが、会長就任にともない、自ら招へいした玉塚元一社長への態度はとくにでしたね。社員のいる前で平然とこき下ろしたこともありました。会社名義とはいえ、高級コンドミニアムをハワイに買うなど、やりたい放題でした」
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サントリーHDに移っても、そんな性格に変わりはなかったという。
「『俺は給料を100億円もらってもいい』が口癖でしたから。家宅捜索された東京・港区のタワ―マンションも、実際に100億円もらっていた日産のカルロス・ゴーン元会長にならって、わざわざ自宅から引っ越したともいわれます」(サントリー関係者)
世界的な洋酒メーカーであるビーム社の買収などで、サントリーHDは新浪氏の在任中に1.5倍近くまで売り上げを伸ばした。しかし、洋酒部門は買収部分を除けば実質、横ばい、堅調だったのは食品飲料部門とされる。
「洋酒の営業は、酒店やバーなどの顧客の囲い込みが基本ですが、これがあまりうまくいかなかったとの見方もあるのです。というのも、新浪体制になって、噂に聞く“強権”に恐れをなしたベテラン営業マンが、軒並みなじみのあるブランドをそろえた、別の外資系洋酒メーカーの日本支社に移籍したともいわれています」
新浪氏はサントリー初の外部招へいされたトップ。しかし、代表権を持つ会長は佐治信忠氏との2人態勢だった。さらに、新社長の鳥井信宏氏も代表権を持った。副会長の鳥井信吾氏を含め、サントリーHDは4人代表制となっていた。
「国内部門は鳥井氏、海外部門は新浪氏という役割分担も考えられるものの、今後の海外展開が必要ないなら、新浪氏を置く必要はすでにありませんでした。
もともと新浪氏には、鳥井氏を後継社長として一本立ちさせる任務が佐治会長から与えられていました。2025年には信宏氏が新社長に就任しましたが、これで新浪氏の居場所はなくなっていたのかもしれません」(同前)
「ミスター荒波」は、これからどこをさまよっていくのだろうか。