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赤澤大臣「総裁選のダークホース」になる3つの理由…石破首相の “遺志” 残すための画策とは

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記事投稿日:2025.09.11 16:20 最終更新日:2025.09.11 16:21
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
赤澤大臣「総裁選のダークホース」になる3つの理由…石破首相の “遺志” 残すための画策とは

赤澤亮正経済再生担当大臣(写真・長谷川新)

 

 石破首相が退陣を発表し、にわかに注目が集まっている自民党総裁選。10月4日に投開票と決まったが、すでに複数人が出馬の意向を示している。

 

 9月10日には、茂木敏充前幹事長が立候補を表明し、ほかにも高市早苗元経済安保相や小泉進次郎農水相ら、多くの「総裁候補」の名前が取りざたされている。そうしたなか、総裁選のキーマンに意外な人物の名前をあげたのが、社会構想大学院大学教授の北島純氏(政治過程論)だ。

 

「私は、赤澤亮正経済再生担当相が、ダークホースになるかもしれないと思っています」(北島氏、「」内以下同)

 

 対米外交で、米トランプ大統領との交渉役に抜擢された赤澤大臣が、なぜ総裁選のキーマンになりうるのか。

 

「大きく理由は3つあります。1つめは、『トランプ大統領との関税交渉の継続性』です。

 

 今回、関税交渉が大きく進みましたが、まだ詰め切れていない部分も多くあり、批判する声も多くあります。今後の詰めを、一から新たに誰かにやってもらう、というわけにはなかなかいきません。

 

 特に霞が関の官僚としては、この交渉は近年にない大型案件です。投資額は80兆円ですからね。この政策に継続性を持たせるため、霞が関からは、ラトニック商務長官らとパイプを築き上げた赤澤大臣に『担当閣僚として再任されてほしい。そのためにも立候補してほしい』という声が聞こえてきます」

 

 

 では、実際に立候補するとなると、どのような政局が考えられるのか。これに応えるのが、北島氏の語る「2つめの理由」だ。

 

「2つめは、『石破グループの力学』。現在、石破首相を支えている議員は、村上誠一郎総務相、岩屋毅外相、中谷元防衛相、平将明デジタル相、青木一彦内閣官房副長官をはじめとして多くいますが、こうした “石破グループ” は党内の少数派で、石破首相が退陣したあと、だまっていると “日陰” に移っていくと思われています。

 

 しかし、世論調査などを見ても、石破首相の支持率は高いまま。やはり、“石破グループ” の面々には『もったいない』という気持ちが強く残っていると思われます。

 

 そこで、誰かを擁立しようという話になったとき、いちばん候補者としてふさわしいのは誰かとなると、やはり関税交渉で頻繁にニュースで取り上げられ、知名度を大きく上げた赤澤大臣が “旬” ではないかという話になる可能性があります。

 

 赤澤大臣が立候補して、総裁にならずとも20票でも30票でも獲得すれば、一定の存在感を示すことになります。そうなれば、対米交渉担当大臣などの形で再任してもらう名目は立つでしょう。やりたいことがやれずに去っていく石破首相の “遺志” を継ぐために、赤澤大臣擁立の機運が生じてくるかもしれません」

 

 3つめは「総裁選の力学」だ。総裁選では、1回めの投票で過半数に達した候補者がいなければ、上位2名の候補者で決選投票をおこなう。前回の総裁選同様、候補者が乱立すれば、それだけ票が割れることになり、決選投票にもつれ込む可能性が高くなるとされる。

 

「今回も、決選投票前提の動きになる可能性があります。現在、麻生派以外の派閥が解散して票の動きが読めなくなっていますから、候補者が乱立した場合、一度に誰かが大量得票することは考えづらい。

 

 石破首相としては、ここで “石破グループ” の票をうまく使えば、次期政権に影響力を残せる可能性が高くなります。『うちの票、決選投票になったらそちらに回しますよ』と、たとえば小泉陣営に根回ししておけば、最初から支持するよりも高く恩を売れることになります。その候補者に、石破最側近である赤澤大臣はうってつけでしょう」

 

 一方、実際には、赤澤氏が総裁に選ばれる現実的な可能性は低いと北島氏は語る。

 

「総理総裁になるための備えという点では、やはり本命は、高市元経済安保相か小泉農水相、あるいは茂木前幹事長か林芳正官房長官だと思われます。

 

 赤澤大臣本人の意欲の問題として、そもそも石破政権に殉じたのだから立候補などあり得ないという思いもあるでしょう。それでも、赤澤大臣が立候補すれば、総裁選が大きく盛り上がることになりそうです」

 

 告示日は9月22日。それまでに、赤澤氏の気持ちは固まるだろうか――。

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