
送検される平晴流容疑者
9月29日、2歳の娘に執拗な暴行を加え、治療も受けさせず死亡させた“ファミリー系YouTuber”である容疑者夫婦について、『集英社オンライン』がその内幕を報道した。SNS上で“幸せ家族”を演じていた容疑者たちの裏の顔が次第に暴かれている。
事件が発覚したのは、今年7月だった。
「逮捕されたのは和歌山県紀の川市の建設業・平晴流容疑者と、妻の平菜々美容疑者です。昨年秋ごろから今年7月上旬、2歳の長女・流菜ちゃんの頭や顔を殴るなどの暴行を加えたという疑いです。流菜ちゃんは治療を受けさせてもらえず、全身打撲による外傷性ショックで死亡したとみられます。7月10日に菜々美容疑者から“子供が息をしていない”と119に通報があり、長女は心肺停止状態で搬送されましたが、同日に死亡が確認されました。長女は体重が約6キロしかなく、平均の半分ほどだったといいます。暴力だけでなく、食事も与えていなかったと報じられており、悪質な虐待と見られています。ふたりは容疑を認めており、9月27日に和歌山県警が両容疑者を保護責任者遺棄致死容疑で送検しました」(地方紙社会部記者)
容疑者夫婦には、死亡した長女の兄にあたる長男がいる。この長男を夫の晴流容疑者は溺愛していた。
中学時代から動画投稿を開始していた晴流容疑者は、家族を持った後もYouTubeやTikTokで日常を公開。すでに非公開となったTikTokアカウントでは長男との仲睦まじい様子を大量に投稿していたが、長女はほとんど登場しなかったという。
「動画では長男だけを連れて買い物や食事などの外出しているものもあり、2歳の長女は家に置き去りだったようです。4歳になる長男は発育状況も普通で虐待の様子はなかったそうで、兄妹間で差別的な扱いがあったとみられています」(前出・記者)
晴流容疑者は12年前からYouTubeを頻繁に更新。バレンタインデーにチョコを6人からもらったと自慢する、AKBの推しメンを報告するなど“痛すぎる”ネタ動画をアップしていたが、再生数は100前後。起死回生を狙ったのか、ヘリウムガスを吸う、大きなサンタの人形を殴る、BB弾を自身に撃つなどの“やってみた”系や、アニメキャラのお面を被って『僕は殺人鬼です』『君も殺されたいですか?』など“痛い会話”を繰り広げるなどの動画を上げていたが、再生数は伸びず、1年ほどで投稿をしなくなっていた。
X上では厳しい指摘が数多く書き込まれている。
《家族を大切にしてる系ではなく 家族を売り物にしてる系の、ファミリー系動画配信者だったんだな》
《子供を集金の道具くらいにしか思ってなかったんだろう》
《子どもを散々いい様に利用してきたんだろうね 人間やる事とは思えないよ》
思春期から爆発した承認欲求はとどまるところを知らず、動画を投稿し続けた晴流容疑者。その動画は虐待の証拠を映してもいた。
「1年以上前にアップされた動画では、体調不良の長男を甲斐甲斐しく看病する容疑者が映っています。ところが、長女が近づいて声を上げても無視、見向きもしません。疑問に思った視聴者が《どの動画も娘ちゃんの出番が少ないのはなぜですか? 出てきたとしても誰かがかまってる様子をあまり見たことがないです》と尋ねると、《基本的に息子メインで始めたSNSなので、少ないと思います。娘もまだ1歳なので、機嫌よく動画を撮れるという事も今はまだ難しいです》などと返答し、《娘も息子と同じように愛情込めて育てています。ご心配ありがとうございます》と語っていたんですが、その1年4カ月後に流菜ちゃんは亡くなってしまいました」(前出・記者)
なぜ娘を愛せなかったのか。今後の捜査で真実が語られることはあるのだろうか。