
高市早苗衆院議員
日本憲政史上初の女性総理大臣が誕生しそうだ。
10月4日午後、自民党本部で実施された自民党総裁選挙で、上位2名による決選投票の結果、高市早苗前経済安全保障担当相が小泉進次郎農水相を破り、女性として初めて第29代自民党総裁に決まった。
高市氏、小泉氏のほかに林芳内閣正官房長官、茂木敏充前幹事長、小林鷹之元経済安全保障担当相が立候補していた。
1回めの投票は、国会議員票295票、党員・党友票295票の計590票で争われ、国会議員票の有効投票数が294票となり、計589票の結果が発表された。
その結果、
高市氏(国会議員票64票、党員・党友票119票、計183票。以下同)
小泉氏(80票、84票、計164票)
林氏(72票、62票、計134票)
小林氏(44票、15票、計59票)
茂木氏(34票、15票、計49票)
という結果になった。
1回めの投票で過半数に達した候補者がいなかったため、1位の高市氏と2位の小泉氏との間で決選投票(国会議員票295票、都道府県連票47票の計342票)がおこなわれることになり、小泉氏、高市氏の順であいさつした後に投票が行われた。
そして、国会議員の有効投票数は294票となり、
高市氏(国会議員票149票、都道府県連票36票、計185票。以下同)
小泉氏(145票、11票、計156票)
という結果となった。
政治担当記者が言う。
「10月15日に召集が予定されている臨時国会で、総理大臣指名選挙が行われます。自民・公明の両党は現在、少数与党となっていますが、野党が統一候補を立てることは困難とみられ、高市氏は次の総理大臣になることが確実視されているため、日本憲政史上初の女性首相が誕生することになります」
別の政治部記者が言う。
「選挙前の予想を覆す結果となりました。党員・党友票を多く獲得した高市氏でしたが、議員票が予想されていたとおり伸びなかったため、小泉氏との決選投票になった場合は、2024年9月の総裁選に続き、議員票の差で負けるのでは、という見方が強かったのです。
一方の小泉氏は、議員票でほかの候補をリードし、党員・党友票では高市氏にリードを許しました。しかし決選投票では議員票の割合が高いため、高市氏との決選投票になれば、断然、有利と見られていました。しかし実際には、決選投票の議員票は高市氏が上回りました」
自民党で唯一残る麻生派(43人)の会長である、麻生太郎党最高顧問が誰を支持するのかが注目されるなか、4日の総裁選前、報道各社は麻生氏が決選投票では党員・党友票が多かった候補に投票するよう派閥議員に呼びかけたことがわかったなどと報じていた。
自民党ベテラン秘書が言う。
「麻生派もけっして1枚岩ではありませんが、今回は麻生氏が党員・党友票の多い候補に入れろと指示したことが報じられ、迷っていた議員の後押しをすることになったと思います。各議員の先生たちは、次の選挙のことを考えた場合、党員たちの意見を無視するようなことはできるだけ避けたいのです。自分の選挙を考えて、最後は高市氏に投票したのでしょう」
高市氏新総裁誕生の一報に、Xでは
《初の女性総裁に期待!トランプさんに負けないでね》
《保守とかリベラルとかじゃなく、「国家を守る覚悟」がある人が選ばれた。》
《日本を良くしてくれることを祈ります》
《経済政策待った無し!格差少しでも直してほしい!》
《日本がギリギリ沈没しないで済んだな》
などといった歓迎ムードの声があがっている。
別の自民党関係者が言う。
「自民党は2025年の参院選の大敗を受け、『解党的出直し』での再生を誓ったものの、総裁選では政策論争が活発化されることはなく、国民不在の総裁選に有権者からは冷めた目で見られていたように感じます。小泉氏陣営がやらせの書き込みを依頼した『ステマ問題』なども影響したように思います。自民党を再生するには、小泉氏では破壊力が足りないと感じた議員が少なくなかったのでしょう。それと、党員の声を無視できないという力も働いたと思います」
高市新総裁は今後、総裁として党の立て直し、また、首相に就任してからは物価高対策や、米トランプ大統領などを相手に外交問題にも取り組まなければならない。
前出の政治部記者が言う。
「トランプ大統領は10月27日ごろに来日し、高市氏は首相に就任後、約2週間で、対面での会談になります。高市氏の外交力は未知数ですが、外交力と防衛力強化を主張しており、日米同盟の枠内でうまくつき合っていけるのではないでしょうか。また、高市氏は積極財政派で、消費税減税も念頭に置いていたこともありますから、物価高対策にも期待が持てると思います。また『ステマ問題』などで、小泉氏では党内がひとつにまとまらない可能性も指摘されていましたが、女性初の総裁という新鮮さも、党内をまとめるのに一役買いそうです」
高市新総裁に期待を寄せる声は多いようだ。