
2025年9月20日、自民党総裁選に出馬を表明した小泉進次郎氏(写真・長谷川 新)
自民党総裁選の投開票日まで、あと4日に迫った9月30日。大本命とされる小泉進次郎農水相が所属する自民党の神奈川県連による“選挙不正疑惑”が「文春オンライン」に報じられた。大手紙の政治部記者の解説。
「記事内では、神奈川県連衆院9区の支部長だった、中山展宏前衆議院議員が証言しています。中山氏によれば、支部長として勧誘した党員の党員資格が2025年の6月20日付で抹消され、今回の総裁選の投票用紙が郵送されなかったというのです。告発が報じられたことで、党総裁選挙管理委員会は選挙資格がある党員数を訂正し、神奈川県連の投票資格者数が826人増えて、全国では91万6400人になったとしています」
中山氏は、これまで総選挙では4回連続で小選挙区落選。比例復活で当選してきたが、前回の総選挙では復活がかなわなかった。
「こうしたこともあり、一部では『中山氏が他党への移籍も視野に入れている』との噂がささやかれていました」(同前)
小泉農水相には、牧島かれん元デジタル担当相の“ステマ疑惑”が取り沙汰されたばかりだ。小泉農水相のインターネット番組出演に合わせ、後援会関係者らに、番組中に小泉農相を賞賛する内容の書き込みをするように指示したとされる。今回の党員資格の抹消が総裁選を有利にするための措置ということなら、ステマ疑惑をはるかに超える大スキャンダルなのは間違いない。
渦中の小泉農水相は、10月1日から2日間の日程で外遊に臨んでいた。ASEANと日中韓による農相会議というが、総裁選の最終盤に一時離脱するのは、もちろん異例のことである。先の政治部記者が続ける。
「相手あってのことで、事務レベル会議も8月におこなわれていたので、急遽“敵前逃亡”したというわけでもないでしょう。小泉氏も意図的に党員資格を喪失させた事実はないと、報道内容を否定する文書を公表しています。
が、かりに事務手続きのミスだったのしろ、党費を払った党員が一方的に党員名簿から削除され、さらに、総裁選に投票できなくなる寸前の事態だったわけですから、責任は重大です。
これで総裁選に勝利していたら、話が違ったかもしれませんが、高市さんに敗北したいま、党内での立場は今後、かなり厳しいものになるのではないでしょうか」
新政権での小泉氏の立ち位置は――。