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「高市首相で1月解散」キングメーカー麻生氏の選挙構想に派閥内から不協和音…公明離脱で東京の小選挙区は全滅の恐れも

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記事投稿日:2025.10.15 14:45 最終更新日:2025.10.15 14:45
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
「高市首相で1月解散」キングメーカー麻生氏の選挙構想に派閥内から不協和音…公明離脱で東京の小選挙区は全滅の恐れも

自民党の麻生太郎副総裁と高市早苗総裁(写真右・JMPA)

 

 10月21日に召集される臨時国会での首相指名選挙をめぐり、各政党間での駆け引きが続いている。

 

 本命の高市早苗自民党総裁か、それとも野党統一候補として担ぎ出される可能性のある国民民主党の玉木雄一郎代表か。

 

 14日、自民党の鈴木俊一幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長が会談。夕方には榛葉幹事長と立憲民主党の安住淳幹事長、そして日本維新の会の中司宏幹事長の3者会談がおこなわれ、15日に野党3党首会談を開催することが決まった。

 

 政治部記者が言う。

 

「現在の状況から判断すると、国民と維新の政策には近いものがあるのですが、その2党と立憲との間にはエネルギー政策や安全保障政策の面で違いがあり、すきま風が吹いている状況です。3党での統一候補調整は困難ではないかとみられています。

 

 一方の高市氏も、15日に立憲民主党の野田佳彦代表、玉木氏とそれぞれ党首会談する予定です」

 

 そうしたなか、高市総裁誕生に貢献したと言われる “キングメーカー” 麻生太郎党副総裁の発言に、党内で唯一残る派閥である麻生派内から不協和音が漏れてきている。

 

 党役員人事では、麻生派から、まず麻生氏が副総裁に返り咲き、麻生氏の義弟である鈴木俊一氏を幹事長、有村治子氏を総務会長に起用するなど、麻生派優先の人事に「第2次麻生政権」と揶揄されてもいる状況だ。

 

 麻生派関係者が言う。

 

「高市さんが首相になった際には、2026年1月に召集される通常国会の冒頭に解散するという考えを麻生さんが周囲に漏らしているのです。これには麻生派内から『麻生さんは自民党を2度も下野させる気なのか』と困惑する声が出ています。

 

 どうも麻生さんは、公明党が政権を離脱したことで、離れた自民党支持者たちが戻り、解散総選挙で自民党の衆院議席が今より増えると思っているようなのです。

 

 これには派内からも首をかしげる声が出ていて、これまで選挙協力してくれた公明票が減ることになれば、衆院選で25議席、最悪50議席減るとの予測が出ています。東京都の小選挙区は全滅という見方まであります。

 

 高市さんが麻生さんの考えを無視すればいいのですが、冒頭解散なんてやろうものなら、自民党の議席は激減し、下野することになってしまう可能性大です。

 

 2009年8月の衆院選で麻生政権が民主党に惨敗して下野しましたが、このとき以来の、麻生さんによる2回目の下野になりかねないと懸念する声が出ているのです」

 

 大方の予想をくつがえし、総裁に就任した高市氏からみれば、「党員票の多い候補に投票しろ」と派閥に号令をかけた麻生氏は “大恩人” に違いない。

 

 前出の政治部記者が言う。

 

「高市氏が総裁になったことで、SNSでは麻生氏の政治センスを持ち上げるような声も出ましたが、党内では『最後の賭けにたまたま勝っただけ』という見方もあります。

 

 小泉進次郎氏の後ろには菅義偉元首相や岸田文雄前首相がデンと控えていて、小泉氏を支援したところで、麻生氏には何の旨味もありませんからね。

 

 麻生氏が高市氏を支援したことが高市氏勝因の1つであることは間違いないと思います。ただ、麻生氏が号令をかけたから高市さんが勝ったという単純な理由ではないとみています。

 

 小泉氏が総裁になると置いていかれると思った中堅議員の一部や、小泉総裁で世代交代が進み、目がなくなってしまうと考えた林芳正氏支持の議員らが、決選投票で反小泉票として高市氏に流れたという構図だと思います。

 

 高市氏が首相になったとして、麻生氏が来年1月の通常国会冒頭解散を考えているとしたら、それは無謀のような気もしますが……」

 

 現在、永田町では出処不明の “自民党造反議員26人” のリストが出回っており、高市氏が首相に就任できるかどうかは、現時点では不透明な状態だ。

 

 政治部デスクが言う。

 

「造反リストは信ぴょう性がないようです。15日に高市氏と維新の吉村洋文代表が会談します。おそらく維新は高市氏に票を入れるとのことで、連立は組まずに閣外協力する形にまとまるのではないかとみられています。そうなれば、高市首相の可能性が高まります」

 

 首相指名選挙に向け、自民党は造反者を出すことなく、高市総裁でまとまることができるだろうか。そして、野党統一候補を阻止し、国民民主党あるいは日本維新の会の協力を取りつけることができるだろうか。

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