
斉藤健一郎参院議員(写真・共同通信)
公明党が自民党との連立を解消したことで、比較第一党の自民党総裁に選ばれながら、当の本人が「総理大臣になれないかもしれない、かわいそうな高市早苗です」と自虐するほど混沌としている日本政界。
なにがなんでも政権政党でありたい自民党は、必死の「野党切り崩し」に動いているが、10月15日、自民党の参院会派に政治団体『NHKから国民を守る党』の斉藤健一郎参院議員が入会、新たに「自由民主党・無所属の会」になったことで、永田町に波紋が広がっている。
「斉藤氏は、実業家・堀江貴文氏の秘書や運転手などを経て政治家を目指しました。都知事選や衆院選などに挑戦するも相次ぎ落選。2022年7月の参院選では『NHK党』から比例代表で立候補しましたが4位で落選。
しかし、同じく比例代表で当選したガーシー(東谷義和)議員が、除名処分の可決を受けて失職。2023年に斉藤氏が繰上げ当選しました。同党では唯一の国会議員です」(政治担当記者)
立花孝志党首は、自身のYouTubeチャンネルで「自民党の会派は、いま100人いてですね、そこに(斉藤氏は)101人めという形になるんですが、もうやはり、NHKのスクランブル放送をやっていくためには、自民党さんに賛同してもらうしかないっていうのが一番近道」と、会派入りは政策実現のためであることを強調。
さらに、斉藤氏が現在所属している農林委員会からNHK予算の採決をおこなう総務委員会へ異動。「これにより、NHKの会長に対して直接、斉藤健一郎参議院議員が質問することができます」とも語った。
本誌はこの報道を受け、斉藤氏に直接話を聞いた。
——いつ頃から会派入りの話が始まったのですか。
「もともと、2020年に東京都知事選に立候補したときから、自民党入りを熱望していました。
そして今回、高市総裁になりましたが、高市さんを推していた西田昌司先生とは以前から懇意にさせていただいていたので、今月になり、松山政司自民党参院会長、石井準一自民党参議院幹事長と面談をさせていただき、会派入りとなりました」
高市総裁も総務大臣時代、NHK改革を訴えていたが、今回の斉藤氏の報道を受け、Xには自民党やNHK党を批判するポストも目立っている。このことに対する考えを聞くと——。
「NHK党のことを浅くしか知らない方が、感情的になっておられるのだと思いますが、国会での活動をみてくださっている方からは『NHK党はまともなことをやっている』というご意見をいただいています。
ここは批判する感情をいったん置いて、『会派入りでNHKのスクランブル化を推進できるメリットがあるんだ』と冷静に考えていただきたいです」
そして斉藤氏は「NHK会長はめちゃくちゃ、びびっているのではないでしょうか。『やっと総務委員会から(NHK党が)いなくなったのに』と思っているはずです」と続けた。
自民党の会派入りした斉藤氏が、NHKをめぐりどのような論戦を展開するのか。注視したい。