
宮崎謙介氏
「あれは2011年、私が自民党京都府第三選挙区の支部長に選任され、翌年の衆院選挙に出馬することが決まったときのことです。自民党主催の勉強会があり、そこに講師として高市さんがいらっしゃいました。
私がごあいさつをすると『イケメンやねえ』と笑いながら握手をしてくださったのですが、それで頭のなかが真っ白になり、あいさつの内容がすっかり飛んでしまいました」
自民党OBの宮崎謙介元衆院議員は、当時の高市早苗氏(現・自民党総裁)との初対面を振り返り苦笑する。
当選後、政調会長だった高市総裁のもとで、自民党の勉強会でもある「特命委員会」に配属された宮崎氏は「高市さんは話をしっかり聞いてくださり、がんばっている人を認めてくださったので、新人議員にとっては励みになりました」と言う。
今回、公明党が連立から離脱したことには「予感があった」そうだ。
「離脱の報道を聞いて驚きましたが、公明党議員や創価学会のみなさんからは『自民党と一緒にいても、デメリットのほうが大きい』という声を多くうかがっていたので、連立がいつまでも続かないとは感じていました。
自民党議員の選挙への影響ですか? 私も選挙では創価学会の方々に支援していただき、とてもお世話になりました。今後ですが、選挙で苦戦する自民党議員も多いのではないでしょうか。とくに都市部の議員です。自民党は総じて、都市部は強くありませんから」
自民党は他党の協力を仰がないと国会運営はままならない少数与党だが、宮崎氏は「公明党とは安全保障などで考え方が違ったので、政策遂行では逆にアクセルが踏めるのではないか」と前向きだ。
「野党との対立場面では、自公が固まっていたことで心強く思えましたが、安全保障の考え方などで自公は真逆だったので、自民党はブレーキを踏んで自制していました。しかし今後は、それがなくなるのではないでしょうか」
新人議員時代に励ましてくれた高市総裁へのエールを聞くと「たいへん、おそれ多いことですが」と前置きして続けた。
「高市さんが信じた道を突き進んでいただきたいです。石破(茂)首相はご自分のカラーをまったく出せずに退陣することになり、後悔していらっしゃると思います。
石破首相は『波風を立てずに……』というお考えだったのでしょうけど、いまは『波風を立てないで静観する』という時代ではないと思うんです。だから高市さんには『どんどん波風を立てて、そして戦ってほしい』と願っています」
高市総裁が、国政に新しい風を吹かせられるか、注目が集まっている。