
6月11日、党首討論後の会見で山尾志桜里氏の公認内定取り消しを受けて、質問に答える国民民主党の玉木雄一郎代表(写真・長谷川 新)
《議員定数削減、自民、維新が本気でまとめるなら我が党は賛成します》
国民民主党の玉木雄一郎代表は10月18日、Xを更新。自民党と日本維新の会による連立に向けた政策協議のうち、日本維新の会の吉村洋文共同代表が、連立の絶対条件として上げた「年内の国会議員定数1割削減」に、国民民主として賛成する意向を示した。
玉木代表はさらに、《定数削減で紛糾して臨時国会がこれ一色になれば、ガソリン暫定税率廃止や年収の壁の引き上げなど国民が求める政策が全く進まなくなります》とも綴り、《早く議員のための政治から、国民のための政治に移行しましょう》と締めくくった。
日本維新の会が連立の条件として示した12項目のうち、副首都構想や、安全保障、エネルギー政策、憲法改正の4分野はもともと、自民党との政策との間に距離がないことから、容易に合意が出来ると目されている。一方、食品類の消費税率の引き下げ(2年間は0%)、企業団体献金の禁止、国会の定数削減の3点は、自民党の受け入れが難しいとされてきた。
国民民主党としては、日本維新の会が自民党に急接近する中で、自維で協議が固まるとみられる「定数削減」政策について合意の意を表明したとの見方もある。ただ、議員定数の削減は違憲判決もあった「1票の格差」にかかわる問題でもあり、衆参とも区割りと定数の問題が少ない比例区の削減が主な議題になるものと予想される。
国民民主党は先の衆院選で27議席を獲得したが、選挙区は11議席で比例区が16議席。つまり、比例区の当選増により党勢拡大を実現したのは紛れもない事実のはずだが……。この玉木代表の投稿については、国民民主党内部からも疑問の声が聞こえているようだ。同党の関係者がこう語る。
「議員定数削減は、もともと民主党政権末期に、当時の野田佳彦首相、安倍晋三自民党総裁、山口那津男公明党代表の間で三党合意もしています。ただ国民民主党に関しては、結党時に『定数削減』議論とは決別した、という認識でいたのですが……。
今回の玉木代表の賛成表明は、まったく機関決定をしていない玉木代表の個人的な意見に過ぎないと思われます。わざわざ、“我が党”と付けて投稿していますが、これは党のガバナンスにおける大問題だと思います。
結局のところ、玉木さんは最初から自民党との連立に前のめりで、それを国民民主党の支持母体である連合が止めていたに過ぎません。日本維新の会に、目前で連立与党の座をさらわれたことが悔しいのかもしれませんが、最近の投稿は“筋違い”な内容ばかり。自維与党が過半数にかぎりなく迫っていることで、国民民主党も今後はこれまでのように、キャスティングボートを握る立場からは大きく後退すると思われます。玉木代表も焦っているのかもしれませんが、少し落ち着いて欲しいと思いますね」
首班指名をめぐり、玉木代表が得るものと失うものとは――。