
国民民主党の小林さやか参議院議員(写真・時事通信)
10月21日におこなわれた首班指名選挙で、憲政史上初の女性総理大臣に高市早苗自民党総裁が選出された。
衆議院の指名選挙では、自民196人、維新35人に加え、有志の会の北神圭朗氏、改革の会の阿部弘樹氏、斉木武志氏、守島正氏の3人、無所属の中村はやと氏、額賀福志郎氏の計237人が高市氏の名前を書き、過半数に達したため、1回目の投票で選出された。
一方の参議院の指名選挙では、高市氏は1回目の投票で過半数(124)にわずかに届かず、123票となり、2位の立憲民主党の野田佳彦代表との決選投票となった。
決選投票では、自民100人、維新19人に加え、日本保守党の北村晴男氏、百田尚樹氏の2人、無所属の寺田静氏、平山佐知子氏、望月良男氏の3人。そして、国民民主の小林さやか氏の計125人が高市氏に投票し、参議院でも首相に選出された。
ちなみに野田氏が46票で、無効票47、白票28という結果だった。無効票の内訳は国民民主24人、参政党15人、れいわ6人、公明の秋野公造氏、チームみらいの安野貴博氏。白票の内訳は、公明20人、共産7人、無所属の尾辻朋実氏だった。
政治担当記者が言う。
「とりわけ注目されたのが、決選投票で高市氏の名前を書いた国民民主党の小林さやか議員でした。小林氏は元NHK記者で、今年7月の参院選千葉選挙区で初当選したばかり。
実は、国民民主党は決選投票になった場合、無効票になる玉木雄一郎代表の名前を書くことを申し合わせしていたのです。小林氏は高市氏に投票したことについて、毎日新聞の取材に対し、『(高市氏か野田氏の)二択で書かなくてはいけないと思い込んで、頭が真っ白の状況でミスしてしまった』などと話し、党幹部から厳重注意を受けたことを明らかにしました」
ミスしてしまったという小林氏の投票行動に、Xでは《どうなったら間違えて投票できるんや》といった批判もあがってはいるのだが、それよりもむしろ小林氏の行動を擁護する声が相次いでいる。
《これ悪いことなのかな?暗黙のルールはあるんだろうけど、意味ない投票してる人たちのほうが違和感》
《無効票になるように示し合わせるのも有権者側からみたらどうなん?て思うけどな、意味ある投票をしろよ》
さらには、
《決選投票になったら無効票にするって玉木氏やる気無さ過ぎるだろ》
などと「内閣総理大臣を務める覚悟はある」と意気込んだものの、踏み切れなかった玉木氏に対しても批判の矛先が向けられている。
党から厳重注意を受けるほどのミスだったのかもしれないが、小林さやか参院議員の知名度は格段にあがったようだ。