
日本維新の会、藤田文武共同代表(写真・共同通信)
日本維新の会の与党入りをけん引したとされる、同党の共同代表で衆議院議員の藤田文武氏を“赤旗砲”が直撃した。10月29日配信のしんぶん赤旗日曜版(電子版)で、藤田氏の公設第1秘書が代表を務める会社への公金支出問題を報じたのだ。政治担当記者が解説する。
「報道では、公設秘書の会社に支払われたのは約2000万円。さらに、その会社から第1秘書に、年間720万円が支払われていたといいます。原則的に公設秘書の兼職は禁止で、もし、議員が認めた兼職がある場合は届け出が必要です。赤旗は、『身を切るどころか、身内への税金還流』と、厳しく批判しています」
これに対し、藤田氏はXアカウントで猛反論を展開している。藤田氏は《悪意のある税金環流のような恣意的な記事ですが、すべて実態のある正当な取引であり、専門家にも相談の上で適法に行なっているものです》と主張。さらに約2000万円についても、数年間にわたって支払われた代金だとして、《大部分が機関紙のデザイン費、印刷実費等の仕入れ原価が当然に発生するもの》などと説明している。
また藤田氏は、当該会社に委託した成果物については、《私の地元選挙区の数万世帯に国政報告書の形で配布されました》とも投稿している。
いずれにせよ、赤旗の報道を事実無根と、全面的に否定したことになる。が、先の政治担当記者は、「まだ説明が足りていない」として、こう続けた。
「まず、兼職届が出ているのかの説明がありません。さらに反論のなかで《受託会社側の売上規模からすると取引高比率は極めて小さなもの》とも書いていますが、公設秘書は特別職国家公務員ですから、当然、秘書業務に専念してもらうのが原則です。約2000万円が《極めて小さなもの》であるほど、売上高が高い会社の代表が秘書についている理由も、説明してしかるべきとの批判は免れないでしょう。
藤田氏は《取引条件は、仕様・作業量・納期等を踏まえた相場水準で設定しており》として、取引価格の額が適正だとしていますが、アドバンテージがまったくないなら、藤田氏がこの企業に発注する理由もないでしょう。常識的にもさらなる説明が必要だ、と批判があがっています」
こうした状況下で、“古巣”の問題に大激怒したのが、元大阪府知事・大阪市長で日本維新の会の創設者でもある弁護士の橋下徹氏だ。
「橋下氏は、Xで《違法・適法の問題ではない》と断罪し、《維新には外形的公正性の概念を藤田氏に教えることができる人材はいなくなったのか》と批判しています。
『外形的公平性』とは、橋下氏の同党代表時代からの主張で、要するに『誰が見ても不正はない、という状況を確保する』ということ。つまり、今回の藤田氏への“疑惑”は、不正がない状況が確保できていないと橋下氏が考えていることになります」(同前)
藤田氏のXには、さらなる説明を求める投稿が増えている。自民党の中堅議員がこうため息をつく。
「『政治とカネ』のことで他党を批判できる立場ではないが、もし、藤田さんが秘書のかかわる事業で報酬を得ていたなら、これは大ごとになるだろう。ベテラン議員を中心に反対意見も多かった、維新の与党入りを強行に進めたのが、維新の代表である吉村洋文大阪府知事。自民党に影響が出なければいいな、と願うしかない」
余波はどこまで広がるか。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







